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2012年 4月号 真壁木造長期優良住宅で手引き書
「真壁木造長期優良住宅で手引き書」 今月のポイント

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住宅都市工学研究所が補助事業で検討

木材を現しで(イメージ写真)
木材を現しで(イメージ写真)

 今回は真壁木造による長期優良住宅の普及に関する業界内の取り組みを紹介させて頂きます。

 現在、国内で建築されている木造軸組構法住宅は、そのほとんどが大壁仕様となっています。これは断熱や気密性能に対する社会的要求の高まりや、住宅需要の増加に応えるにあたり大壁仕様の方が工期や手間の点で対応がしやすかったことなどが背景にあると思われます。この現状に対し一般社団法人住宅都市工学研究所では、木造住宅を永きにわたって使い続けるには、現しで構造材を使用する真壁木造を長期優良住宅仕様で建てることが適切――との観点から国の補助事業を活用してこれを研究、先ほどその成果をセミナーで公表しました。

 以下、その経緯と公表内容の概略を記します。

内外ともに真壁木造で長期優良住宅を建築する際の留意点を考察

 住宅都市工学研究所は2月下旬から3月上旬にかけ、東京や名古屋など全国の4都市でセミナー「これからの地域住宅を考える~真壁木造長期優良住宅実現のための勉強会」を開催、長期優良住宅を内外ともに真壁構造の木造で建てる際の技術的な留意点を解説しました。
 これは2008年度から同研究所が三井所清典・芝浦工業大学名誉教授を委員長とする検討委員会を中心に国の補助事業で行った「真壁木造の長期優良住宅実現のための技術基盤強化事業」の取り組み成果を報告したもので、内外ともに真壁の木造では長期優良住宅が建てられないと考える工務店に向け情報発信することを目的としました。

 住宅都市工学研究所が永く住み続ける家として内外ともに真壁木造の長期優良住宅を推奨する理由は、大壁仕様と比べ、
  (1)軸組の吸放湿性の確保
  (2)軸組に腐朽・蟻害などの劣化現象が生じた場合でも早期に目視発見が可能
  (3)構造美などで美しい街なみが構成できるため住むことへの愛着が増す
   ――などのメリットがあると指摘しました。

 ただ同時に、
  (1)軸組・外壁からの雨水の浸入
  (2)壁厚が限られるため断熱性能など現代の住宅に要求される住宅性能の確保に工夫が必要
  (3)大工・左官手間が省略できないためコスト・工期を抑える工夫が必要
   ――などが大壁仕様での建築と比べて留意することが必要――との認識も合わせて示しました。

 このため住宅都市工学研究所では上記留意点への対応の一例として、軸組・外壁からの雨水の侵入対策(雨仕舞い)を考察するため山形の金町、岐阜の高山、埼玉の川越など全国の9つの地域で内外真壁構造の建築を実践している設計・施工者に行った雨仕舞いなどの所作に関するヒアリング実施。そこから、
  (1)軒を深くする
  (2)雨掛かりとなりやすい部分を板張りとする
  (3)雨掛かりの条件によって真壁と大壁を使い分ける ――などが対策として有効と紹介しました。

4月以降に手引き書を無料公開の予定

 また、長期優良住宅とするための要件である住宅性能評価の4項目、「耐震等級2」、「劣化対策等級3」、「省エネルギー対策等級4」、「維持管理対策等級3」の実現については、研究所として取りまとめた構造パターン別の具体例や、野地板や下地の腐朽予防の具体例についてセミナーの中で説明しました。

 住宅都市工学研究所では4月以降、この補助事業の成果をまとめて冊子にした「真壁木造の長期優良住宅実現のための手引き書」の内容をPDF化してホームページ上にコンテンツとしてアップ、閲覧者がPDF化した情報を無料でダウンロードできるようにする方針です。
 実際に内外ともに真壁での木造で長期優良住宅認定を取るには、この手引書以外にもさらなる工夫が必要ですが、内外ともに真壁の木造で認定長期優良住宅を建てて差別化したいものの、どう取り組んだら良いかわからない事業者の方には、参考の一助になると思われます。

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