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2012年 2月号 震災以降、耐震化ニーズ高まる
「震災以降、耐震化ニーズ高まる」 今月のポイント

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統計や販売傾向で顕著に

岩手・釜石市内の津波による被災住宅(イメージ写真)
岩手・釜石市内の津波による
被災住宅(イメージ写真)

 今回は東日本大震災後にエンドユーザーの間で高まっている、住宅の耐震性強化の動向についてお話させて頂きます。

 東日本大震災の住宅に関する被害では、津波による流失や破壊を別にすれば、エンドユーザー側は千葉県浦安市などで広域に発生した戸建住宅の液状化被害をイメージすることが一般的となっています。
 しかし、今後に予想される大地震の発生予測情報が幾度となく報じられていることもあり、阪神淡路大震災後もみられた住宅耐震化のニーズが高まっていることが、各方面の動向から明らかになっています。

 以下、住宅の耐震性向上に関する統計や、住宅フランチャイズ事業者の動向を紹介させて頂きます。

耐震工事や制震住宅の需要が増加

 まず、住宅耐震化の動きとして、既に建っている既存住宅の分野が上げられます。日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協、小野秀男理事長)が先月中旬に発表した「木耐協耐震診断調査データ・東日本大震災前後の診断依頼者の動向」で、3月11日の東日本大震災後に協会会員がエンドユーザーを対象に行った耐震診断後の工事実施率が、震災前の約27%から震災後は約40%に高まっていたことが明らかにされました。調査は2010年1月から2011年3月10日までと、2011年3月11日から7月末までに木耐協事務局に申し込まれた耐震診断の依頼から、その後に耐震工事の実施にまで進んだ件数として把握している581件の動向を調べたもので、それによると3月10日までの工事実施率27.3%に対して3月11日以降は39.5%となり、東日本大地震以降、耐震工事の実施率が上向いていました。

 また、住宅フランチャイズを展開するジーエルホーム(本社=東京都江東区、岡田弘社長)では、制震システムを採用した住宅の供給が、2011年3月から12月までの約10ヵ月間で、扱い開始から東日本大震災発生までの6年分を上回る実績となっています。この制震システムはオプション扱いのため、採用すると延床面積約132平方メートルの住宅で約95万円のコスト増となりますが、東北にも近い群馬エリアのある店舗は、震災前は制震システム採用住宅の販売が6年間でゼロだったにもかかわらず震災後は約10ヵ月間で4棟、東海地震の発生が予想されている愛知エリアのある店舗は、震災前は同1棟が震災後は同8棟を販売しているとのことです。

プラスアルファの価値として積極的にアピールを

 この2つの動向からうかがえるのは、エンドユーザー側のニーズとして、阪神淡路大震災後と同様、「地震に強い住宅を」との要望が高まっていることです。特にジーエルホームの例は、その要望を満たすには多少の出費増となっても新居を耐震性能の高い住宅としたい――との思いがあることがわかります。

 1月下旬、東京大学地震研究所の研究チームが、「今後4年以内にマグニチュード7クラスの首都直下型地震が約70%の確率で発生する可能性がある」との見解を発表、東京と近隣県に住むエンドユーザーに衝撃を与えました。
 住宅性能表示制度における耐震の最高等級といった住宅躯体そのものから、地震時の家具転倒を予防する器具の新居への添え付け、店舗を訪れた客の中から抽選で○人に家族全員分の防災袋とヘルメットの贈呈――など、「地震に対する安全・安心」をサービスとして提供する時期として近年で今ほど、その提供が喜ばれる時期はないと言えます。自社の販売戦略に「地震に対する安全・安心」を組み込むことは、受注獲得に必ず役立つことと思います。

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