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2011年 10月号 震災と消費者の購買マインド③
「震災と消費者の購買マインド(3)」 今月のポイント

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大手メーカーが購買マインドに対する震災の影響をアンケート

岩手県釜石市内の津波による被災住宅
岩手県釜石市内の
津波による被災住宅

今回は東日本大震災が消費者の購買マインドに与えた影響として、大手ハウスメーカーが行ったアンケート調査の結果を紹介させて頂きます。またか――と思わず、何卒お付き合い下さい。消費者の心変わりは、イコール、住宅に求めるニーズが変わった――ということなのです。そのニーズを把握しておけば、見込み客から求められる前に様々な提案ができ、市場競争力が高まるのですから。
 このアンケートでわかったことは、

  • ①震災以降、人とのつながりや絆を重視する姿勢が強まった
  • ②住まい選びの重視ポイントとして、震災を境に耐震性や省エネ、高齢者配慮が上昇した反面、デザインや間取りについては低下した

――となります。
以下、アンケートの概要を説明します。

震災後は人とのつながりや絆、耐震性など、安心と安全を重視

 積水化学工業住宅カンパニーの調査研究機関は7月15日~21日の期間、慶應義塾大学商学部清水研究会と共同で『東日本大震災による住意識の変化』について、インターネット上で調査しました。調査は、それまでに一度も同社の展示場を訪れたことのない人(以下、一般の人と略)と、住宅検討者(過去5年以内の同社の住宅展示場来場者のうちの未購入者)の共に既婚者を対象に実施、有効回答数として一般1088件、住宅検討者981件を得ました。

 アンケート結果によると、一般の人は、震災後「遠距離にいる親族(両親や子供)を呼び寄せる、近くに引っ越すなど、できるだけ近くに住もうと考えるようになった」が震災前の25%から8ポイントアップの33%に上昇しました。また「地域社会との関係を深めたい」は37%で10ポイントアップ。特に20歳代は17ポイント増の40%に達しています。住まい選びに関しては、災害の影響から立地を重視する人が震災前の2.5倍となる45%に高まりました。

 一方、住宅検討者は、震災前の重視ポイント上位として「住宅の間取り」「住み心地、快適性」「住宅の取得費用(価格)」だったものが、震災後は「地震・台風時の住宅の安全性」「冷暖房などの省エネルギー対応」「高齢者への配慮」など、性能や機能を重視する傾向が強くなっています。「高齢者への配慮」の重視度が高まっているのは一般の人の意識と同様、住宅検討者にも「呼び寄せ意向」が増えているものと分析しています。20歳代や30歳代などの若年層では、震災前に上位の要望だった「収納スペース」「設備(キッチンや風呂)」「住宅の広さ、部屋数」が、震災後は「地震・台風時の住宅の安全性」「耐久性」「住み心地」重視に変化しています。この傾向は40歳代や50歳代でも同じでした。

現状の消費者ニーズは当分の間、継続が見込まれる

 このほかで注目される変化としては、やはりというか、採用したい住宅設備のトップは太陽光発電システムで47%でした。また、エコキュートも28%を占めています。太陽光発電は停電時でも昼間自立運転ができ、エコキュートも断水時にタンク内の水が使えるなど、共に災害時に役立つ点が評価されたものとみられます。

 震災以降、大手・中堅の住宅メーカーの新商品のほとんどは、太陽光発電システムや蓄電池といった、ある程度のエネルギー自立をアピールポイントにするものになっています。東海、南海、東南海といった大地震発生の危険性をマスコミが報道する傾向は当分続くでしょうから、消費者サイドの住宅に対する意識や要望も当分の間、意匠性よりも機能、そして安心・安全重視が続くものとみられます。

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