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2011年 9月号 災害後のニーズ対応でハザードブック
「災害後のニーズ対応でハザードブック」 今月のポイント

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大手事業者が液状化予測などのデータを開示

液状化で噴出した砂に埋まった花壇ポッド
液状化で噴出した砂に
埋まった花壇ポッド

 今回は東日本大震災で生じた消費者の液状化不安への対応を具体化した事業者について紹介させて頂きます。東日本大震災では液状化現象が国内最大規模で発生、液状化で傾いた家の修復費用として、その多くを居住者が負担しなければいけないことがマスコミなどを通じて報道されたため、消費者の心に「家を建てるなら液状化しないところ」との思いが刻まれました。以下、液状化不安への対応として、建築地周辺のハザードマップを作成し購入検討時に資料として開示した、大手住宅事業者の細田工務店(本社=東京都杉並区、阿部憲一社長)の事例を紹介します。

液状化の可能性の程度や地震の震度予測など災害関連情報の集約

 細田工務店は2011年度中に東京都杉並区と千葉県柏市で販売する戸建分譲の全戸で、当該物件に関する災害関連情報をまとめた「災害データブック」を購入検討者に開示、購入の際は引渡図書の一つとしてデータブックとCDを提供するサービスを始めました。災害データブックは日本住環境評価センターに作成を依頼、細田工務店側が掲載を求めた液状化や火災関連情報などの情報を充実させ、日本住環境評価センターがまとめます。
災害データブックに掲載する情報の具体例は、

(1)物件周辺の活断層の分布(5)台風・大雨による浸水予測
(2)地震の揺れと地盤の関係(6)近隣の避難所と関連施設
(3)当該物件がある場所の地形と地質(7)避難所の備蓄物資
(4)想定される大地震が当該物件エリアに与える
   被害想定(震度、液状化、火災、ライフライン)
(8)所管自治体が行う防災政策および
   防災情報の提供サービス

などです。それぞれの情報には出典資料名を明示して客観性を担保し、データブック全体として自然災害時の安全面に関する包括的なレポートとなっていることが特徴といえます。

行政情報の活用で一定レベルのものなら自社でも作成可能

 細田工務店では災害データブックを作成することにした理由として、東日本大震災後の接客で消費者の声として、 (1)液状化の可能性(2)震度(3)ライフラインへの影響――などが多かったことをあげています。おそらく皆さんも「液状化は大丈夫か」と質問された経験がおありなのではないでしょうか。
 消費者の液状化不安を解消するには、なにも特定の企業に調査を依頼しなくても、行政を活用すれば、消費者の不安解消につながる一定程度の水準の情報を自らで集めることが十分に可能です。
 まず取り寄せるのは、建築地がある行政の災害関連のハザードマップです。大雨や河川の氾濫による浸水の可能性や、今回の震災で注目が集まった液状化の発生程度予測の情報については、市町村レベルの自治体もしくは都道府県レベルの自治体のいずれかで、必ずまとめられた情報があります。ホームページを調べて見あたらない場合は、冊子や地図の形でまとめられている可能性があるため、その有無を問い合わせて入手。コピーして見込み客に見せ被害の可能性の程度を説明すれば、きっと評価が高まるはずです。無料で利用できるこうした行政の専門的な情報を利用しない手はありません。安心・安全に関する差別化戦略の一環として、サービスの一つとすることをお勧めします。

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