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2019年7月号 大手住宅メーカーの2018年度決算に見る住宅業界の現状と今後

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大手住宅メーカー6社(※)の2018年度決算が、5月までに出揃いました。今回は、この決算データから、2018年度の動向を改めて振り返るとともに、2019年度の見通しを解説します。(※積水ハウス・大和ハウス工業・積水化学工業・ミサワホーム・住友林業・旭化成ホームズの6社。積水ハウスのみ1月決算、他は3月決算)


1.2018年度実績、市場回復と駆け込みで受注は前年比プラスに

 最初に、大手各社の2018年度における戸建の販売件数・受注件数を見ていきましょう。(戸数・棟数ベース。請負・分譲合計での実績)
 販売件数は、6社のうち2社が前年比プラス、残る4社が前年比マイナスとなりました。消費増税の延期や住宅ローン低金利の常態化など、市場回復のプラス材料が乏しく、苦戦が続いていた2017年度~2018年度前半の受注環境を、そのまま反映した結果と言えるでしょう。一方で受注件数は、公表5社すべてが前年比プラスとなりました。中間決算の時点では5社のうち3社が前年割れとなっていましたが、3社とも通期決算ではプラスに転じています。
 全社プラスの理由は大きく2つ。1つは「増税駆け込み」です。大手メーカーの3月受注は、大半が前年比で2ケタ増となっており、やはり一定の駆け込みが発生しています。特に、10%増税後の支援策を待つよりも8%のうちに契約したほうがメリットの大きい高価格帯のお客様が動き、ハウスメーカーに流れたと考えられます。
 もう1つの理由は、住宅市場の緩やかな回復基調です。2014~2017年にかけては苦戦が続き、各社とも前年割れが続いていましたが、2018年に入ると、月別の受注実績で前年比プラスが目立つようになり、特に秋以降はその傾向が顕著でした。前年比のハードルが相当下がっているため、回復感は乏しいかもしれませんが、市場の底打ち・回復傾向は間違いないようです。

2.2019年度予測、反動減でマイナス?支援策の徹底的な訴求を

 次に、2019年度の販売・受注予測を見ていきましょう。戸数・棟数ベースでの予測は、大和ハウス・住友林業・旭化成ホームズの3社が公表しています。
 販売は、3社のうち2社が前年比プラス予測。この上半期の受注も寄与するところですが、おおむね、前年度の好調な受注を反映したものと言えるでしょう。そして気になる受注の予測ですが、3社のうち過半数の2社が、前年比マイナスと予測しています。ある程度の反動減は避けられないとの見方を反映していると言えるでしょう。実際、各社の4月・5月受注は前年割れが目立っており、前年度下半期の勢いはありません。また、ここ1年は堅調に推移していた集客も、4月~5月は総じて低調だったようです。10連休の影響もあるかもしれませんが、住宅検討者の動きに、明らかな鈍化の兆しがあります。前回の増税時に比べて駆け込みのボリュームが小さいため、反動減も前回よりは小さいと思われますが、それでもある程度の市場悪化は起こり得ると考えておいたほうが良いでしょう。

 今回のデータは上場住宅メーカーのものであるため、ビルダー・工務店など、企業によってはトレンドが異なる部分もあるかと思います。実際、ビルダー・工務店では「駆け込みは無かった」との声も目立ちます。とは言え、2019年度に入って停滞の動きが出ていることも事実であり、影響を最小限に抑えるためには、より積極的な集客・営業活動が求められることは間違いないでしょう。
 特に、住宅ローン控除の拡充・次世代住宅ポイントなど、反動減防止のための支援策は、徹底的な訴求が必要です。検討初期のお客様・潜在層のお客様は、支援策の存在を知らない方や、実施期限などの詳細を知らない方が少なくありません。初回接客での意識付けはもちろん、ホームページや各種広告媒体などでの発信も行い、お客様を動かすための工夫を行いましょう。
 また、支援策を理由に契約を先延ばしにしたお客様がいらっしゃる場合は、十分なフォローアップと契約の動機付けで、さらなる先延ばしを防ぎたいところです。

資料作成:株式会社 住宅産業研究所
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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