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1. 2030年には大工の人数が21万人に減少?

  野村総合研究所が発表した「2030年の住宅市場と課題」と題した住宅市場予測によると、今後、戸建住宅の建設などに携わる大工の人数が大幅に減少するということです。大工の人数は2015年時点では35万人となっていましたが、大工の高齢化や、産業間の人材獲得競争の激化などが影響し、2030年には21万人にまで減少すると見込まれています。
 野村総研では、かつてプレハブ住宅が我が国における、住宅の量的不足や建設技能者の不足を解決するために大きな役割を担ったと評価をした上で、今後、建設現場での工数削減に寄与したり、熟練工の技術に依存しない建材や設備といった、人手不足問題に対する解決策が求められると提言しています。このような状況の中、住宅会社各社でも将来的な大工の人手不足問題の懸念を解消するため、最新技術の導入や人材育成など様々な施策に取り組んでいます。

2.住宅会社各社の将来的な大工人手不足問題に対する取組みとは?

 住宅施工ロボット・アシストスーツ≫
 大手ハウスメーカーでは、建設用ロボットなどの先端技術を開発・活用し、建設作業に従事する職人の労働環境の改善を図る動きが活発になっています。A社では2018年6月に、開発中の住宅施工ロボットと、現場での職人の力仕事の負担を軽減するアシストスーツを公開しました。住宅施工ロボットは、福岡県のメーカーと共同開発した自走式のロボット2台です。1台のロボットが建設資材を上に持ち上げる作業、もう1台が持ち上げた資材をビスで固定する作業というようにそれぞれ役割が分かれています。作業員が設計データなどが入ったタブレット端末を使って、2台のロボットに指示を送ると、ロボットがAI(人工知能)で互いに通信を行いながら天井に石膏ボードなどを貼りつけていくというものです。

 アシストスーツは、施工を行う職人がリュックのように背負い、腕に専用の器具を装着することで、職人の負担を軽減します。ガスの圧力によって上腕の力を補助し、職人が大きな負担を感じるとされる上向きでの作業をアシストしてくれます。アシストスーツの開発はアメリカの企業によるもので、A社では日本人の体型に適した仕様へと改良を進めています。

 同社は、2台の住宅施工ロボットは2020年までの現場での実用化を目指しているということで、今後、ロボットによる作業の速度と安定性を高める研究を進めていくということです。また、アシストスーツは、既に同社の施工現場で試験的に導入されているということで、今年12月の本格導入を計画しています。

 ≪建築技術校の設置≫

 埼玉県を拠点とするB社では、自社で優秀な社員大工を育成する環境を整え、グループにて「建築技術訓練校」を設立しました。建築施工系木造建築学科と建築内装系インテリアサービス学科を有し、グループに入社した大工や内装技能者志望の社員は、入社後1年間、建築技術訓練校で学科と実技を学びます。同校は全寮制のため、食事や住居の心配をすることなく、さらに新入社員として給与をもらいながら1年間の訓練に専念することができます。毎年、木造建築学科、インテリアサービス学科と合わせて30人ほどが入学するということです。同校の設立以来、これまでに約770人の卒業生を送り出しており、卒業後は現場で大工見習いから始まり社員大工・電気やクロスなどの技能者として働くことができます。

 また、C社の企業内専門校である建築技術専門校では、人材の受け入れ態勢を拡充し、グループ以外の大工の育成にも力を入れています。同校では、グループに入社した大工などの技能職だけではなく、2015年度からは全国の協力工務店に入社した社員にも建築技術を習得するための訓練を行っているということです。訓練生の受け入れは、以前と比べて約30人増やし70人まで受け入れられるようにしました。同校はこれまでに技能職の人材1,100人以上を輩出しており、グループの社員以外でも、自社物件の施工に携わる大工の人材育成に力を入れて、人材の確保を図っています。

資料作成:株式会社 住宅産業研究所
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。


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