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2016年 8月号 都市型飲食店一次産業とのつながりが差別化を生む
都市型飲食店一次産業とのつながりが差別化を生む

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 先日は、観光×農業ということで、地方ブランディングをしている企業様をご紹介させて頂きました。観光施設に注目するとき、「食」は欠かせないコンテンツとなっていますが、こと「食」だけ見ても、「素材に特化する」≒「原料をおさえる」ことは、他店との差別化ポイントとして定石になっています。「素材に特化する」といっても我々が勧めている農業参入の他に、特に飲食業では、直通の仕入(委託生産も含む)で流通構造の効率化を進めているところが多く、このような流通の効率化を取り入れている飲食業は都市型(大商圏)と地方型に分類ができます。
 地方型の飲食店は、観光客の獲得が売上増加のカギを握っています。ゆえに、観光客が飲食に期待する“その土地でしか食べられないもの”を提供する為に「その地域のモノを仕入れ」「地域独特の調理法」に重きを置くところが多いです。
 一方、都市型(大商圏)の飲食店は他店との差別化とリピート獲得が肝になる為、「(自家生産・委託生産or)流通の効率化≒鮮度・品質に直結≒美味しい」という点を他店との差別化ポイント≒企業の強みに設定しています。今回は後者の都市型(大商圏)で注目されている飲食店様の事例をご紹介します。

滋賀の農家と連携 ~滋賀の農家さんを守る・大切にする~

 1つ目の事例は、株式会社ガーデン様が関西で展開している「花様ka-you」です。大阪の北中心の好立地に10を超える店舗を構え、「近江の食材」にこだわってメニュー展開されている飲食店です。本飲食店で使用されているドレッシングを商品化した「花様ドレッシング」は楽天やメディアなどで取り上げられ有名になっています。
 こちらは直営農場はあるものの、滋賀の農家との連携が強く、その流通とその構造を反映した自店でのメニュー展開と、百貨店からSMまで各チャネルへの卸業を行っています。流通は、「滋賀の農家さんを守る・大切にする」ということを第一にしている為、①農家さんの納品する品質レベルは問わない、②即時その場で現金支払い、という方針で原料を集め、自社で各品質レベルに応じて、各チャネルへ振り分けています。また、自店のメニューは7~10日に一回、入ってくる原料に合わせて変更するのだとか…。そこまでやられているだけあり、好立地での出店依頼を受けたり、利益率等も飲食業界ではありえないレベルの高い数値を打ち出しています。社内の人力によるところが大きく、他社は真似できるレベルではないと容易に想像できます。

「地域のアンテナショップ」としての側面を押し出した店づくり

 2つ目の事例は、株式会社fun functionが経営する「ご当地酒場」。今となっては、ご当地酒場も珍しい業態ではなくなっていますが、こちらの飲食店様は、「まだ知られていない地域を活性化したい」という方針のもと、地方の比較的小さい地域と連携して、“地域のアンテナショップ”としての側面を押し出した店づくりをしていることが大きな特徴です。
 小さな地域・知られていない地域のアンテナショップなので、市町村の認可を受け、屋号には県+市町村まで入れた屋号を掲げ、食材の輸送には地域の生産者はもちろん、時には直売所・役場が協力している店舗もあるようです。地域の規模によりますが1地域に2~3店舗の出店に留め、地域の負担を軽減していることも特筆すべきポイントです。
 また、各店舗のスタッフは各地域に行って、直に生産者さんの声や想いに触れて産地を理解する研修を受けます。そうすることで、スタッフによる実感のこもった地域のアピールタイムの質が高く(≒スタッフのモチベーションが高い)、総合的にファンを増やしています。こちらは「ガイヤの夜明け」をはじめ、多くのメディアからも注目され、外食アワードを受賞されたりしている優良企業様で、今は色々な地域・行政からの引き合いが多く、勿論利益率も飲食業レベルを超えた利益率だそうです。

資料作成:株式会社船井総合研究所
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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