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2015年 11月号 ついに始まるか?要介護1・2への介護保険除外政策
今月も、医療・介護事業者の皆さまへ「経営にお役に立つ情報」のご提供をメール送信させていだだきます。 是非ともご覧ください。
ついに始まるか?要介護1・2への介護保険除外政策

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経済財政諮問会議と財務省が改革を加速化!その構図は?

 首相官邸・経済財政諮問会議が活発な動きを見せています。医療・介護の政策が官邸主導で財務省と経済財政諮問会議のバックアップにより、経済財政改革のスピードがどんどん加速化され、「主要分野ごとの主な検討事項と工程表・KPIの概要」として公表されている内容は、大変厳しい内容になってきています。
 先進国の中で、各国そのスピードには若干の違いがありますが高齢化が進む中、当然に社会保障費は右肩上がりとなるのが常識化される中、唯一、ドイツのみマイナス抑制が成功しています。そのため、財務省はドイツを社会保障費抑制モデルのベストプラクティスと捉え、参考にしている感があります。内容は、自己負担額の増加と、保険制度の適用を重度に限定する方策の推進です。
 「主要分野ごとの主な検討事項と工程表・KPIの概要」では、膨大な数の医療と介護にかかるテーマが名を連ねています。これらを目の当たりにすると、本当に、医療と介護の政策策定は、首相官邸・財務省の強い意向が反映していることが理解されます。

経済財政諮問会議における工程表

 経済財政諮問会議が提示している経済財政改革の工程表では、「介護保険における利用者負担の在り方」として、「2割負担の対象者の見直し:医療制度 との均衡を踏まえて、65~74歳について原則2割に見直し」とし、「速やかに関係審議会等において制度の実現・具体化に向けた検討を開始し、28年末までのできる 限り早い時期に結論を得て、その結果を踏まえ、 遅くとも29年通常国会に所要の法案を提出」とあります。また、「軽度者に対する生活援助の原則自己負担(一部補助)化・福祉用具貸与・住宅改修に係る価格及びスペックの見直し、原則自己 負担(一部補助)化・要介護1・2への通所介護サービス等について、自治体の予算の範囲内で実施する仕組み(地域支援事業)へ移行」という、とんでもない内容が記載されているのです。通所介護全体で要介護3以上に限定するとなるとおそらく現在の利用者の60~70%もの数の利用者が地域支援事業の方へ移行することになり、本格的な生存競争の幕開けの年が、2018年度ということになります。

しかし、さらに財務省はハードルを上げたいと願っている

 しかし、財務省は、平成27年10月9日開催の「財政制度等審議会」においては、さらにハードな提言をしています。 「要介護2までの居宅サービス、地域密着サービス、施設サービスは、自治体の予算の範囲内で実施する枠組み『地域支援事業』に移行し、利用者負担のあり方について見直す。」、「年齢区分による利用者負担割合として、65歳から74歳を2割負担とし、医療保険負担見直しに対応して、75歳以上を原則2割負担とする。現状は年間所得が160万円(収入で280万円以上)の2号保険者(65歳以上)は、2割負担で、1号被保険者(40歳~64歳)は所得にかかわらず1割負担。」、「給付の地域格差の解消のために、その要因分析を行い、都道府県・市町村に介護給付量を適正化できる仕組みを導入する。市町村にはケアマネジメント適正化のための権限を持たせる。」など、2018年診療報酬・介護報酬ダブル改定の際に、いよいよ、重度化対応に介護保険を特化させ、自己負担額を増加させ、結果、介護保険外サービスへの横滑り効果を狙い、医療に続き、「介護保険サービスの市町村主導による総量規制政策の始動」を目論んでいるということになります。経営者は、本当に、法人の向かうべき方向性のハンドリングをどうするのかを決断しなければならない時を迎えていると言えます。要介護1と2で安定した経営を望むことが難しくなるのです。

「医療法人が目覚めるか?社会福祉法人が目覚めるか?営利法人が捨て身の戦法?」

 医療法人は、入院医療依存傾向を改め、在宅における医療依存度の高い重度要介護対応に本気になれるかどうか?にかかっています。在宅医療と地域包括ケアシステムへの本格的な取り組みの決断が必要です。
 医療を持たない社会福祉法人はどう戦うか?特養を地域包括ケアシステムの拠点として、高齢者・障害者・子育てなど在宅への果敢な取り組みが必要です。営利法人は最もドラスティックな戦略変更が必要でしょう。医療と介護と障害、成人と小児、保険外サービス等各カテゴリーの中の「ブルーオーシャン」にチャレンジし、成功させる気概とセンスと覚悟がある経営者だけが勝ち残るでしょう。苦手科目から逃げていては敗北します。国は、「大変な仕事に挑み続ける経営者のみを救う」つもりです。重度対応通所及びショートステイ・24時間365日・医療依存度高・重度認知症・生活リハビリによる要介護改善・困難事例のリハビリ・経口摂取機会の増大のためのSTによるリハビリ・成人難病及び小児難病・小児慢性特定疾患等の国のニーズに応えることができるかどうか?重度対応ができなければ、最終的には、介護保険では食べていけなくなっていくことを知るべきです。

[筆者] ウェルフェア―・J・ユナイテッド株式会社  専務取締役 谷本 正徳 氏

ウェルフェアー・J・ユナイテッド株式会社(URL:http://wju.co.jp/company)
〒163-0532 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル32階 Tel:03-5322-1396

谷本 正徳 氏:プロフィール
福祉・介護・医療経営戦略コンサルタント
大手外資系食品メーカー、外資系コンサルティング会社、大手税理士法人マーケティング部長を経て、現職。医療法人や社会福祉法人等を対象とした2025年医療・介護統合経営モデル構築を中心としたコンサルティング業務に従事。従来から、社会福祉法人公募プロポーザル申請支援、内部統制・内部統治コンサルティング等に携わっており、近年は、2018年地域医療ビジョンと地域包括ケアシステム対応地域制圧支援コンサルティング、経営企画室機能強化コンサルティング、市場開発と新規事業広報営業支援等を中心業務としている。全国各地の都道府県社会福祉協議会や都道府県老施協、経営者協議会等にてセミナー講演多数。

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
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