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2019年 5月号 都市伝説は信じてはいけません!

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<事例>

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『死亡届を出したら、役所から銀行に一斉に連絡が行き、銀行口座が凍結される』 …まことしやかに流れる相続に関する都市伝説。冷静に考えたら役所が個人情報漏えいをするわけはないのですが、多くのご相談者と同じようにAさんも信じてしまったようです。
今回はセンターとして手続きを行っておりませんが、無料相談にお越しになられたAさんのお話です。

<結果>

Aさんは介護のために仕事を辞めて、高齢のお母様と2人暮らし。8年の介護の末、お母様が亡くなりました。8年の間に、自分自身の貯金が底をついていたAさんは、お母様が亡くなったとき、葬儀費用やご自身の生活費が心配になりました。二人姉弟のお姉様に相談するよりも先に、まずはお金をおろすこと、それしか頭にありませんでした。
決してお姉様に内緒でお母様のお金を独り占めしようとしたわけではなく、Aさんはただ、不安で仕方なかったのです。
Aさんは金融機関の窓口で当面の資金として600万円を引き出しました。もちろん金融機関に対して、お母様が亡くなったことは知らせていません。その金融機関は、これまでもお母様の代理としてAさん単独での預金の引き出しに応じていた様で、Aさんは同様の窓口でのやり取りを経て、無事に資金を引き出すことができました。


葬儀が終り、お姉様と今後のご供養と遺産について話し、口座に残っている財産を2分の1ずつにすることになりました。Aさんは600万円を出金したことは説明しないまま、一緒に金融機関に行って手続きをしましたが、解約済のお母様の通帳を見た時、お姉様の顔色が少し変わったように感じたそうです。

1週間ほどしたある日、お姉様から依頼を受けた弁護士からの内容証明郵便がAさんに届きました。お母様の死亡後に引き出した600万円のうち半分の300万円を返せ…という内容でした。

いわゆる不当利得返還請求を受けたAさん。驚き何が何だか分からず、相談にお越しになったのですが、法的紛争になっているのでお手伝いはできないものの、今、何が起こっているのかを説明しました。

ポイント

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長年介護に尽くしてきた分、Aさんには、お姉様より多くもらってもいいだろうという思いが少しはあったのかもしれませんが、その旨を前もってお話しておくべきでした。他の相続人に内緒にして遺産分割を行うと、「争う相続」になりかねません。

●遺産分割の際の注意点

金融機関が預金者の死亡を知った場合、預金の入出金は原則停止されることから、相続人が金融機関に死亡の事実を告げないまま被相続人の口座から預金を引き出す例は多く見受けられます。多くの場合は葬儀費用や医療費の支払いに当てられるようですが、中には、遺産分割でもめる前に先に独占しておこうという方もいるかもしれません。
共同相続された遺産については遺産分割がされるまで共同相続人の共有となり、預貯金債権についても最高裁平成28年12月19日の大法廷決定により、当然に分割されることはなく遺産分割の対象になると判示されています。
ただ、遺産分割の対象とするには遺産分割時に存在している必要があります。すなわち、遺産分割前に他の共同相続人に無断で払い戻された預貯金は遺産分割時に存在しない為、遺産分割の対象とはなりません。その場合でも、共同相続人間で、払い戻した財産を遺産分割の対象に含める合意があった場合には、遺産分割の対象となります。
多くの場合、払戻の事実を共同相続人間で確認したうえで、遺産分割協議を進めていきます。このような合意がなされない場合には、自己の相続分を侵害されたとして、払戻をした共同相続人に対し不法行為による損害 賠償請求又は不当利得返還請求を求めることができると解されています。

事例発行元:相続手続支援センター事例研究会
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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