相続ニュース - バックナンバー

2019年 3月号 何とか書いてもらいました

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<事例>

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Aさんから、ご主人のXさんが亡くなったと、ご相談をいただきました。Aさんご夫婦には、お子様はいらっしゃいません。被相続人に子や孫がいない場合、相続人は直系尊属(父や母)となりますが、父や母、祖父母が既に亡くなっていらっしゃれば、相続人は兄弟姉妹になります。兄弟姉妹で既に亡くなっている方があれば、その子(甥姪)が相続人となります。Xさんのご兄弟姉妹はほとんど亡くなっていらっしゃるので、相続人は甥姪含めて16人です。相続手続に当たっては、この全員で遺産分割をしなければなりません。Xさんの相続財産はご自宅不動産と預金です。

<結果>

「これがあるのですが…」と、Aさんはファイルから紙を何枚か出されました。見ると、震えた字で「ゆいごんしょ」と書いてあります。Aさんによると、Xさんに何とか書いてもらったとのこと。Xさんは認知症等を患っていなかったものの、手が震えて、字がまともには書けない状態であった為、練習したそうです。何とか読むことはできます。「わたしのざいさんをAさんにゆずる」とありました。日付がないものや、署名がないもの、押印がされていないものもありましたが、幸い、日付も署名も押印もすべて揃っているものが1枚あり、早速、家庭裁判所での検認手続きに入りました。自筆で書かれた遺言書は検認手続きを経ないと相続手続に使うことができません。検認には、相続人確定の為の戸籍を取得する必要があり、今回は相続人が多い為、時間を要しました。

家庭裁判所での検認が終わり、いざ手続きに入ろうとする段階になって、もう一つ手続きが必要となりました。司法書士によると、「ゆずる」という文言だと「遺贈」と解されるので、登記を行うには相続人全員の関与が必要だというのです。この場合、遺言執行者の選任を裁判所に申し立て、選任されれば、執行者により手続ができます。そこで、Aさんを遺言執行者として申立しました。ここでも時間を費やすこととなり、結局、相続手続完了までに約半年かかることとなりました。それでもAさんは、「時間はかかったものの、もし遺言書がなかったらもっと大変だっただろうし手続ができなかったかもしれない、これで家に住み続けられる、何とか書いてもらってよかった」と、おっしゃっていました。


ポイント

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平成31年1月13日自筆証書遺言の方式が緩和されました!!

●緩和前の制度では…

 これまで、自筆証書遺言を作成する場合には、全文を自書する必要がありました。遺言書部分はもちろんのこと、添付する財産目録についても、全文を自書しなくてはならず、パソコンでの目録作成や、通帳のコピーの添付は認められていませんでした。ただでさえ全文の自書は大変ですし、特に、お年寄りや財産の多い方にとっては、相当な負担となっていました。

●緩和後の制度のメリット

 今回の見直しで、以下の様に方式が緩和された為、作成時の負担が軽減されることとなりました。「自筆証書遺言に、パソコンで作成した目録を添付したり、銀行通帳のコピーや不動産登記事項証明書等を目録として添付したりして、遺言を作成することができるようにする」さらに、財産目録には署名押印をしなければならないので、自筆でない添付物でも偽造も防止できるようになります。

事例発行元:相続手続支援センター事例研究会
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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