相続ニュース - バックナンバー

2017年 6月号 独居老人の相続

オリジナルファイルのダウンロード(PDF)

<事例>

イメージ

離婚後子供もおらず、1人暮らしの状態で亡くなったAさん。公営住宅にお住まいで、死後数日たってから発見されました。遺産内容が全く分からず、見つかったのは「3枚の銀行キャッシュカードのみ」という状況で、Aさんのお兄様Bさんから相続手続のご相談を受けました。通帳が残っていれば、その預金の残高だけでなく取引の記録から、投資信託や株式、生命保険などのその他の遺産内容の存在を推測することができます。また、証券会社や生命保険から定期的に郵便物が送られてくる場合があり、郵便物も故人の財産調査をするには重要となります。まずはBさんとご一緒にAさんのご自宅で手掛かりとなるものを探しましたが、やはり何も発見することはできませんでした。

<結果>

イメージ

そこで、金融機関に口座の有無を確認すると同時に、これから届く郵便物を手掛かりに調査をすることにしました。戸籍類をそろえ、ご相続人の印鑑証明書・委任状を持参し、キャッシュカードの銀行の他、自宅近くの地銀や信用金庫、信用組合等を回り、口座や貸金庫の有無の問合せを行いました。調査の結果、キャッシュカードのあった銀行の普通預金の他、自宅の近くの信用組合に定期預金があることがわかりました。ゆうちょ銀行については、貯金事務センターに対してAさん名義の「貯金現存照会」を行い、通常貯金と定額貯金の存在が判明しました。また、後日かんぽ生命保険からハガキが来たため、確認したところ、年金型の生命保険があることがわかりました。さらに、証券会社と取引があったことや、配当金の通知書により株式を持っていたこと、百貨店の友の会で積立金があったことも郵便物から判明しました。財産内容の確認を行う一方で、遺言書を遺されている可能性も考え、自宅近くの公証役場で公正証書遺言検索を行いましたが、遺言書は確認できませんでした。

地道に調査をした結果、最終的に約4,000万円近い財産を見つけることができました。法定相続人は兄弟姉妹、甥や姪、合わせて5名。相続人間で遺産分割協議を行い、相続手続きを完了しました。今後は財産の内容が分からない独居老人の相続も増えてくるのではないかと思いますが、何十年と生きてきた人の痕跡が、ある日突然全く消えてしまうということはないので、あきらめずに調査をすることが大切だと感じました。

ポイント

イメージ

高齢化が進む昨今、「独居老人」の数も年々増えることが予想されています。

 ●生前準備の必要性

今回のケースのように、亡くなった方の財産内容を誰も把握していない場合は、通帳や郵便物等から推測して調査していくこともできます。とはいえ、漏れのない財産調査には限界がありますので、お一人でお住まいの方には、生前の準備が重要となってきます。特にお子様がいない場合は、兄弟姉妹や甥姪での相続となる場合が多いので、煩雑な相続手続を避ける意味でも遺 言書の準備が有用といえるでしょう。特に、公正証書遺言であれば、原本が公証役場に保管されているので安心です。

 ●エンディングノート

遺言書に財産内容を明記しておけば、相続手続漏れを防ぐことができますが、いきなり公正証書遺言を作成するのは敷居が高いという方もいらっしゃるかもしれません。そうした場合には、まずは誰もが自分一人で手軽に書くことができるエンディングノートがお勧めです。遺言書のような法的効果はありませんが、唯一ご自身の意思が著されているものとして、「万一の時にご遺族の負担を軽くする」準備のアイテムとして注目されてきています。

事例発行元:相続手続支援センター事例研究会
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

TOPページへ戻る

おすすめコンテンツ

  • 地域AD倶楽部
  • ベルマーク運動
  • 運送ラボ
  • 建設ラボ
  • フード&アグリラボ
  • 保育・こどもねっと
  • ケア・フレンズ
  • ベストケアサポーターのご紹介
  • eco now
  • インターリスク総研