相続ニュース - バックナンバー

2017年 3月号 借金で相続放棄・・・でも。

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<事例>

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Xさんのひとり息子であるAさんは、消費者金融などからの借り入れが大きく、借金を借金で返すという自転車操業を繰り返し、Xさんから勘当状態にありました。そんな中、ある日突然、Aさんは自殺されてしまいました。
Aさんには独身で子がいなかった為、ご両親であるXさん達ご夫婦が相続人となりました。
どこで調べたのか来る日も来る日も金融会社からの借金返済の催促がXさんの自宅に届いていました。Aさんが残された借金は3,000万円。一方で、Aさんの死亡によって受け取ることとなる生命保険金が1,500万円ありました。しかし、借金の金額の方が大きかったため、保険金を受け取っても債務をすべて返済することはできず、1,500万円の残債務がXさん達に残ってしまいます。
Xさんは相談にお越しになられた時、心身ともに疲れ果てていらっしゃいました。

<結果>

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まず始めに、債務を逃れる為に相続放棄をすることを提案しました。Xさん達ご夫婦はすぐにでも相続放棄の手続を望まれ、とにかく催促の電話がかかってこないようにして欲しいと切望されました。早速、手続きに入り、家庭裁判所に書類を提出しました。そして各金融会社には、Aさんがお亡くなりになられたこと、そして、相続人となるXさん達ご夫婦には相続放棄の意思があり、手続きを進めていることをお伝えしました。
矢のような金融会社からの催促が無くなり、Xさんは「もっと早く知っていれば・・・」と喜んでおられました。

債務から逃れた一方で、生命保険は死亡保険金受取人としてXさんが指定されていましたので、Xさんの「固有財産」として受け取ることができました。息子の借金1,500万円を返済していかなければならないと思っておられたXさん達ご夫婦には、逆に1,500万円の現金が残りました。
Aさんは勘当状態であっても、もしもの時のことを考え、Xさんが受け取れるよう生命保険をかけておられたのでしょうか。Xさんはこのお金を大切にし供養に当てたいと仰っていました。

ポイント

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 ●相続放棄

相続放棄は原則「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」に亡くなられた方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続放棄の申述」をすることにより行います。相続放棄が認められると、初めから相続人でなかったことになり、預金や不動産などのプラスの財産も、借金などのマイナスの財産も一切相続しないことになります。今回のXさん達ご夫婦のように、明らかに債務超過であるときにはきわめて有効な手段となります。
また、3ヶ月の期間内であっても、相続財産を処分した場合には、相続することを単純「承認」したことになり、相続放棄ができなくなりますので、注意が必要です。さらに、自分たちが相続放棄をしたことで、次順位の相続人が新たに相続人となり、借金を背負うことになってしまうので、その人たちにも知らせておくことが望ましいでしょう。

 ●死亡保険金

一方で被相続人の死亡により取得した生命保険金等は「予め誰のものであるか決まっている財産」、いわゆる受取人固有の財産として、これらを受領しても単純承認にはなりません。借金があって相続放棄をした場合であっても、受け取ることができるのです。ただし、この死亡保険金は税制上「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となります。なお、相続人が死亡保険金を受け取った場合には非課税枠(500万円×法定相続人の数)の適用がありますが、相続放棄をした相続人は、相続人でなかったことになりますので、この非課税枠の適用を受けることはできません。
ですが、この場合でも、相続税の基礎控除の適用はありますので、死亡保険金が基礎控除以下であれば、相続税の負担はありません。

事例発行元:相続手続支援センター事例研究会
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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