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2016年 10月号 借地の相続は身内だけで決められず大変
借地の相続は身内だけで決められず大変

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<事例>

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被相続人であるHさんの相続人は、60代の女性ばかりの4名、しかも全員が地方にお住まいという状態でした。
相続不動産は、以前Hさんが家業で使用していた店舗が併設されている居宅用建物です。敷地はHさんの所有ではなく、月々10万円の地代がかかる借地でした。

Hさんは既に家業をやめておられ、お一人でお住まいになっていました。相続人は地方にお住まいということもあり、この不動産を取得したいという方はいらっしゃいませんでした。そこで、相続人の方々は、この不動産を現金化して4人で均等に分割しようとお考えになり、地主に借地の権利を買い取ってもらうよう申し出ましたが、地主との交渉がうまくいかず、遺産分割が進められませんでした。

<結果>

このままでは、地代の支払いがかさむばかりなので、とりあえずは地代の減額を地主に請求することとしました。
そして、根本的な解決に向けて、次の4つの案が上がりました。

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  1. 地主の提案する安い借地権の買収金額に応じる
  2. 店舗前にある駐車スペースを駐車場として賃貸し、地代分の収益が得られるようにする
  3. 地代の減額をお願いしつつ、買収金額について地主とじっくり交渉する
  4. 借地権付き不動産として第三者に売却する

地主が買取したい意向を示したため、2と3 の案を併用しながら、借地権の買収金額を地主とじっくり交渉していくことになりました。
最終的には1年後にようやく解決することができました。

ポイント

●借地権の相続

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 建物を建てる目的で設定した賃借権又は地上権のことを借地権といいます。借地権も財産権として相続の対象となります。借地権を有する方に相続が発生した場合、借地人の地位が当然に相続人に継承されます。借地権の種類、存続期間、地代等の契約内容に何ら変更は生じません。従って、契約の当事者には変更が生じることになるものの、契約書の変更を法律上は絶対にしなければならないということはありません。もっとも、何代も前のかなり古い契約がそのまま残っている場合もあり、契約書の書き直しをした方がいい場合もあります。承諾料や名義書き換え料は、相続に伴っては、原則発生しないので、そのような名目で地主から金銭を要求された場合は、専門家に相談すべきです。
 地代を故人の口座より自動引き落としにされていた場合は、口座の変更等の手続きが必要です。現金払いをしていた場合はそうした手続きは不要ですが、亡くなったことは地主に伝えておいた方が良いでしょう。

●借地権の評価

 借地権は、借地借家法で強く保護されている権利なので、相続税の計算に当たっては所有権に借地権割合を乗じた財産的価値を有するものとして評価されます。借地権割合は都市部では住宅地でも60%から70%になる場合があり、借地権の相続により相続税申告が必要となる場合があります。
 また、借地権を地主に買い取ってもらうことは、借地権の譲渡に当たり、譲渡所得税の申告をしなければならない場合も生じます。

事例発行元:相続手続支援センター事例研究会
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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