相続ニュース - バックナンバー

2021年 3月号 借地、貸宅地の相続

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<事例>

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 Aさんから、お父様Xさんの相続手続についてご相談をいただきました。

相続人は長男Aさん、長女Bさん、お母様のYさんの3人、相続財産は不動産と預貯金で、相続税の申告が必要です。不動産はご自宅の土地・建物とBさんが住んでいる家の敷地ですが、Aさんは土地の権利関係が複雑でどうしたらいいかと悩まれていました。財産内容を確認したところ、ご自宅の建物はXさん名義で、Xさん名義の土地(自用地)と他人名義の土地(借地)の上に建っています。もちろん地主とは賃貸借契約を結んでいます。

自宅にはXさんYさん夫婦のほか、長男Aさん夫婦も同居しています。

また、Bさんが住んでいるXさん名義の土地は少し離れたところにあり、その土地の上に、Bさんの夫Cさんが家を建ています。CさんとXさんの間には土地の賃貸借契約書が結ばれ、地代も支払われています。子(娘婿)相手でも契約を結び地代が発生しているのであれば、「貸宅地」として評価されます。

<結果>

遺産分割協議の結果、ご高齢のYさんは何も相続せず、預金はAさんとBさんが等分に、自宅の土地と借地権・建物はAさんが、Bさんがお住まいの土地はBさんが取得することとなりました。

相続税の計算に当たり、他人の土地を借りて家を所有している場合は「借地権」として評価します。「借地権」の評価は「自用地」の評価に、地域ごとに定められている「借地権割合」を乗じて算出します。逆に土地を他人に貸して他人が家を建てている場合は「貸宅地」としての評価となり、「自用地」の評価から「借地権」の評価を控除して求めます。

Aさんが取得した土地は自用地と借地権としての評価になり、Bさんが取得した土地は貸宅地としての評価になります。

相続により権利関係も整理でき、またAさんが想定していたよりも相続税が抑えられ、Aさんは相続手続の結果に満足されていました。

ポイント

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 ●「借地権」とは

建物所有を目的とする賃借権又は地上権のことを借地権という。相続した建物は故人名義だが、土地は他人名義で故人が地主と賃貸借契約を結んでいる場合、「借地権」として相続税の課税対象となる。

●自用地と貸宅地の評価

 Aさんの場合、相続税申告の際、土地については自用地と借地権としての評価となり、借地権部分は自用地(所有権)より低く評価されます。「借地権」の価額は、「自用地」(他人に貸さずに自分で使用している場合の宅地:つまり更地)としての価額に借地権割合(国税庁により地域ごとに定められた90%~30%)を乗じて求めます。自分の土地でなくても所有権並みの財産として評価される場合があるので注意が必要です。

 Bさんの場合、自分が住んでいる土地の所有権を取得するにもかかわらず、「貸宅地」として、自用地より低く評価されます。相続した土地に他人が利用できる権利を有している場合、つまり他人の建物所有の為に土地を貸している場合は「貸宅地」として、自用地としての価額に「1から借地権割合を引いた割合」を乗じます(例えば借地権割合が70%なら、借地権は自用地価額×0.7、貸宅地は自用地価額×0.3となります)。

 なお、相続や売買の結果、借地契約の当事者が親子間や夫婦間となり、時代のやり取りを問わなくなる場合は、借地権の贈与があったものとして取り扱われるので注意が必要です。

事例発行元:相続手続支援センター事例研究会
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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