相続ニュース - バックナンバー

2020年 10月号 96歳の相続人

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<事例>

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Aさんから、お兄様のXさんが亡くなったということで、ご相談をいただきました。
Xさんには配偶者も子もなく、お父様は既に亡くなっていますが、お母様のYさんはご健在で、96歳と高齢ながら意識も判断もしっかりしているとのことでした。この場合、長男Xさんの相続人はお母様のYさん一人となります。次男であるAさんと長女のBさんにもご同席いただきながら、Yさんのお宅でお話を伺うことになりました。
YさんとXさんが同居していた自宅不動産の名義は、お父様の相続時にXさんに移されており、相続財産はこの不動産と金融資産、生命保険の死亡保険金でした。また、死亡保険金が出るわけではないですが、Yさんの死亡時にXさんが受け取る予定の生命保険もありました。まさか、先にXさんが亡くなるとは、誰も想定していなかったのです。

<結果>

今回、相続人が1人の為、相続税の基礎控除額は3600万円です。相続財産の全体がこの額を超えると相続税の申告が必要となりますが、Xさんの相続財産は3000万円で収まりました。

すると、Yさんから次のようなご質問がありました。「私が相続してしまうと、AとBは私の財産を相続するときに多額の税金を納めることになるでしょう?自分も老い先短く、無駄に財産を持っている必要はない。私ではなく、最初から二人にXの財産を直接相続させる方法はありませんか?」

Yさんのご希望を実現するため、相続人であるYさんは相続放棄をするという選択をされ、家庭裁判所での手続きを行いました。Yさんが相続放棄することで、被相続人の兄弟である、AさんとBさんがXさんの相続人になります。
今回のケースでは、お母様のYさんはすでに4000万円を超える資産(亡くなったご主人からの相続した金融資産など)をお持ちでした。Yさんは今回の相続だけでなく、次に起こるであろう自分の相続の時に、残された家族にいらぬ負担をさせないように考えられたわけです。
96歳の元気なお母様のこの判断によって、税金の負担なく財産は次世代へと相続されていくことになったのです。

ポイント

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 ●相続放棄

相続発生後、相続人は相続の権利を放棄することができます。これを「相続放棄」と呼び、この多くは、借金などのマイナス財産が多い場合や、相続争いに巻き込まれることを回避する理由などから選択されているようです。

●相続税への対策

 相続税は、「3000万円+600万×法定相続人の数」で算出した基礎控除額を超えた場合に、申告が必要となります。今回は相続人がYさん一人で基礎控除額は3600万円。Yさんが放棄すると相続人はAさんBさん2人となりますが、基礎控除額は変わりません。もしYさんが放棄をしなかった場合、Yさんの財産はご自分の財産を加算して7000万となり、その後のYさんの相続では、相続人がAさんBさん2人で基礎控除額が4200万円となるので、相続税申告の負担は免れないところでした。

●忘れがちな生命保険の手続き

 生命保険契約には、被保険者、保険料負担者(契約者)、受取人の3名が登場しますが、この中に被相続人がいる場合は、死亡保険印の請求をしない場合でも、それぞれ保険金の請求や受取人変更などの手続きが必要となります。相続手続の際に、生命保険証券を確認する際にはこの3名の中に被相続人の名前がないか、注意が必要です。

事例発行元:相続手続支援センター事例研究会
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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