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相続ニュース

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<事例>

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Aさんがご主人であるXさんの相続手続のご相談に来られました。ご夫婦にはお子さんが一人いらっしゃいましたが、結婚も子を持つこともなく、既に病気で亡くなっています。その後、Xさんが病気で入退院を繰り返すようになった際、Aさんはお子さんを病気で突然に亡くされたご経験から、Xさんに遺言を書いていただくようお願いしたそうですが、「遺言なんて縁起でもない!俺を早く死なす気か!」と言われてしまい、それ以上話が出来ないまま、Xさんが亡くなられてしまったとのことでした。

<結果>

Xさんの相続財産は、自宅不動産が主で、預貯金はあまり残されていませんでした。相続人全員で遺産分割をしなければならない、と理解しつつも、Aさんは「自宅は大切な場所だし、今後の生活もある。売却をせず、自分名義にして守っていきたい」とお考えでした。手元に生活の資金も残すとなると、Aさんが法定相続分以上を相続する、という内容の遺産分割協議が必要になります。Xさんのご両親は既に亡くなられており、相続人はAさんの他に、Xさんの兄弟姉妹5人ということでした。依頼を受けて戸籍を取寄せて確認すると、実は母親の違う姉(Yさん)がいたのですが、Yさんも既に亡くなっており、そのお子さん3人がXさんの相続人となることが判明。Aさんは、相続人の多さに大変心配していらっしゃいました。
それでもなんとか皆様と連絡をとり、「ご自宅はAさんに」ということで、協議がまとまり、協議書を作成しました。ところが、皆様から押印をいただく段階になって、なかなか押印に応じてくれない相続人が一人…。数か月が経過し、このままでは家庭裁判所に調停申立てをしなくては、と諦めかけていたところ、やっと押印に応じてくれることとなりました。ホッ!としたのも束の間、手続が進まないでいた間にXさんの弟のZさんが亡くなってしまい、Zさんの相続人3人も数次相続人として、押印が必要となりました。すっかり憔悴しきったAさんを励ましながら、最終的には、なんとかご自宅をAさん名義に変えることができました。「主人が遺言書を書いてくれていたらこんなに大変な思いをしなくてよかったのに。」というAさんの言葉が印象に残っています。


ポイント

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●遺言書の必要性

 お子様がいないご夫婦のどちらかが亡くなった場合で、ご両親や直系尊属(第二順位の相続人)が既に亡くなっていると、相続人は、配偶者と故人の兄弟姉妹となり、その兄弟姉妹も亡くなっていると、その甥姪となります(第三順位の相続人)。遺言がなければ自宅不動産の名義変更にも、相続人全員による遺産分割協議が必要となりますが、分割内容が合意に至らない、押印に応じてくれない、相続人自体の所在が分からない等、多々リスクがあり、難航することも少なくありません。お子様がいらっしゃらない方には、遺言書の作成は検討に値することだと思います。

●民法(相続法)の大幅改正

 このたび、民法のうち相続法の分野について大幅な改正が行われました。その中で、配偶者の居住権を長期的に保護するための方策として、「配偶者居住権」という権利が創設されました。配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者に建物の使用を認めることを内容とする法定の権利です。遺産分割における選択肢として、また被相続人の遺言等によって、配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようになります。
今回のAさんのように、配偶者が自宅不動産を取得することに相続人全員の合意が得られればいいのですが、預貯金を含めた金額面での合意が難しい場合に、配偶者居住権という権利で評価し遺産分割を行うという選択肢が増えることとなります。この配偶者の居住の権利のみ2020年4月に施行されることとされています。

事例発行元:相続手続支援センター事例研究会
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。


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