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2018年7月号 フレックスタイム制の割増賃金について

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<ある会社の事例>

フレックスタイム制の導入を考えています。割増賃金の算出方法について運用のポイントを教えてください。


清算期間(1か月以内)において、実際の労働時間が、労使協定で定めた総労働時間を超えた場合は時間外手当の支払いが必要となります。

【ポイント1.時間外労働をした場合】

 1か月など一定の清算期間の総労働時間(図実線。労使協定で定めることが必要)と実際の労働時間(図点線)との間で過不足を清算することになります。
 実際の労働時間(点線)が総労働時間(実線)を超えた場合は時間外手当の支払が必要です。労働基準法上は、法定労働時間の総枠※1に至るまではいわゆる「法定内残業」  となり100%分の賃金を払えばよく、法定労働時間の総枠を超えた分については125%以上の賃金の支払いが必要となります。(右図参照)
(ただし、法定内残業についても割増の対象とする定めをしていれば125%以上の割増賃金の支払義務があります。)

※法定労働時間の総枠とは(図破線) 1週間の法定労働時間×清算期間の週数(清算期間の暦日数÷7)
 ⇒清算期間が1か月の場合 30日の月は40×30÷7=171時間25分


【ポイント2.超過分を翌月に繰り越すことはできるか】

 総労働時間を超過して労働した場合、超過分を次の清算期間中の総労働時間に繰り越して充当することは認められません。超過分は時間外労働として清算期間ごとに賃金で清算しなければなりません。

【ポイント3.深夜・休日出勤をした場合】

 ◆深夜労働をした場合・・・午後10時から午前5時までの間に深夜労働をした場合には、会社はその時間を把握し25%以上の率で計算した深夜割増賃金を支払わなければなりません。(ポイント1の時間外手当に上乗せして支払うことが必要です。)

 ◆法定休日出勤をした場合・・・法定休日※に出勤した場合は、会社がその労働時間を把握し、35%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。よって、割増率の異なる法定休日における労働時間は別で集計し、把握する必要があります。

 ◆法定休日出勤をした場合・・・法定休日以外の休日出勤については、清算期間の労働時間に含めて問題ありません。法定休日出勤分を含めた労働時間が総労働時間を超える場合、時間外手当が必要となります。(ポイント1参照)

 

※法定休日とは

 毎週少なくとも1回(または4週4日)の法定休日を与えることは労働基準法で決められています。法定休日を就業規則で特定している(日曜日など)場合もありますが、特定していない場合、暦週(日~土)全て労働した場合は後順する休日労働が法定休日労働となります。
 また月給制の場合、法定休日労働を含む総労働時間がその月の総労働時間の枠内であればすでに月給として100%の賃金が支払われていることになるのでその時間については35%のみの時間外手当を支払うことで足ります。

資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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