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2016年 9月号 社員旅行の幹事は労働時間か?
社員旅行の幹事は労働時間か?

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<ある会社の事例>

 当社では、毎年2月に社員の親睦を深めるため、会社休日の土日を利用して1泊2日の社員旅行を企画することが恒例になっています。費用は全額会社負担で自由参加となっていますが、毎年ほぼ全社員が参加しています。社員旅行の幹事は、毎年会社が指名しているのですが、この場合幹事になった社員の旅行時間は労働時間に該当するのでしょうか。

 社員旅行が自由参加の場合でも、幹事としての活動が有志による範囲を超え、例えば会社に指名された幹事が、業務時間中に社員旅行の会場や企画の準備をするなどの場合は、業務命令によるものと判断され、旅行時間は労働時間にあたります。一方で、幹事を引き受けるかどうかは任意であり、幹事としての仕事の負担が少なければ、労働時間に該当しないと考えます。

労働時間の考え方

 労働時間の判断は、会社の指揮命令下に置かれているかどうかがポイントです。このため実際には作業していない時間でも、労働からの解放が保障されていない場合は、その時間は労働時間とされることがあります。

労働時間に該当するケースの具体例

 労働時間とは「指揮命令下に置かれている時間」であり、具体的なケースごとにたとえば次の通り判断されます。
 ○出張の際の移動時間:原則として労働時間になりません。
 ○自宅に持ち帰った残業時間:原則として労働時間になりません(ただし残業しないと出来ない
  ような仕事を与え、持ち帰りを黙認していた場合は労働時間となります)。
 ○研修時間:研修内容、参加形態(自由参加か強制か)等により判断されます。
 ○健康診断の時間:通常の健診は労働時間になりませんが、特定の有害業務従事者の健診は労働
  時間です。
 ○作業服への更衣時間:違反に対する制裁があり、指定場所で着替える必要があるなど、義務付
  けの度合いが強いような場合は労働時間になります。
 ○始業前の朝礼、点呼など:会社の指揮監督のもとで義務的に行われる場合は労働時間となります。
 ○終業後の後片付け:業務に必要な行為(義務付けられた機械点検や清掃・整理整頓等)は労働
  時間となります。

社員旅行の幹事は労働時間にあたるのか

 今回のケースでは、社員旅行は自由参加となっているため、旅行自体は労働時間とならない可能性が高いですが、旅行の幹事に関しては、幹事を引き受けることがほぼ強制されており、業務時間中に社員旅行の会場や企画を準備するなどの場合は、積極的な命令によって幹事を務めたと判断され、たとえ社員旅行自体が労働時間に該当しなくても、幹事としての旅行時間は労働時間にあたります。一方で幹事の指名が適任者を指名しただけで、幹事としての仕事の負担が軽く、指名を辞退することが可能な状況であったり、若手社員の有志から幹事を募集するなど、会社命令ではない選出方法をとった場合には、労働時間に該当しないと考えます。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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