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2016年 8月号 社会保険の適用要件の拡大について
社会保険の適用要件の拡大について

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<ある会社の事例>

 弊社は、全国で店舗展開をしている飲食店です。1店あたりの正社員は10人ほどですが、全店では1,000人ほどの正社員を雇用しております。それぞれの店舗で多くのアルバイトを雇用していますが、勤務時間も少なく、ほとんどが社会保険に加入しておりません。今回、社会保険の対象者が拡大されるということを聞いたのですが、拡大される適用要件を詳しく教えて頂けませんでしょうか。

 平成28年10月より、短時間労働者に対する社会保険の適用拡大が実施されることになりました。①週の所定労働時間が20時間以上、②月給が88,000円以上、③同一の事業所で継続して1年以上の使用が見込まれる、④学生ではない、⑤厚生年金被保険者数が常時500人を超える企業で雇用されている、の5点を全て満たす短時間労働者は社会保険に加入しなければなりません。

従来の短時間労働者の社会保険適用要件

 短時間労働者の社会保険(健康保険・厚生年金)適用は、以下の2点を両方満たすことが必要です。

平成28年10月以降に拡大される適用要件

 平成28年10月から、社会保険の「格差の是正」と「保障内容の充実によるセーフティーネットの強化」を目的として、短時間労働者の社会保険適用拡大を下図の通り実施し、これにより約25万人が社会保険に加入する見込みです。

 ①の1週間の所定労働時間とは、対象者の雇用契約書等により定められた時間で判断します。②の賃金の月額には、賞与や時間外手当等の割増賃金は含みません。③については、雇用期間が1年未満の場合は、雇用契約書に契約を更新しない旨の明示がなければ、1年以上の使用が見込まれると判断します。④は休学中や夜間学部に在籍する学生は、学生の範囲に含みません。⑤の企業とは、同一事業主(法人番号が同じ)の適用事業所を指します。

適用拡大の影響と今後の動向について

 社会保険は民間保険とは違い、会社や社員の意思に関わらず、適用要件に該当する社員は必ず加入をしなければなりません。今回新たに対象となる方は、会社や個人の保険料負担が増えることになりますが、病気や出産のために働けない期間の所得補償給付である傷病手当金・出産手当金を健康保険から受けたり、厚生年金の給付額を増やすことが出来るようになります。また、施行後3年以内には、今回の結果に基づき更なる適用拡大が検討されることとされており、今後は厚生年金被保険者数が500人以内の企業への適用要件の拡大等の可能性があります。社会保険の適用対象者は、年々上昇している最低賃金の影響もあり、今後も増えていくと予想されます。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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