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2016年 7月号 36協定の社員代表が退職してしまった!
36協定の社員代表が退職してしまった!

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<ある会社の事例>

 A社は毎年4月に36協定を締結しています。A社は労働組合が無いため、3月に行われる社員全員参加の会議の際に社員代表を決定し、その方と36協定を締結していましたが、今回選ばれた社員代表が他社への転職のため、6月末に退職することが決まってしまいました。この場合、36協定は新たな社員代表と締結しなおす必要はあるのでしょうか。

 36協定を締結した社員の過半数代表者が退職しても、36協定は無効にならず、新たな社員代表と協定を締結しなおす必要はありません。これは、協定当事者として要求している社員の過半数を代表するという要件は、36協定の成立の要件であるにとどまり、存続要件ではないと解されているからです。

36協定とは

 36協定(時間外労働・休日労働に関する協定届)は、社員に時間外労働または休日労働を行わせる場合に、労働基準法第36条に基づき、労使間で締結する協定です。労働基準法32条では、時間外手当の有無にかかわらず、原則1日8時間、1週40時間を超えて働かせてはならないと定めています。そのため、社員の過半数代表者(管理監督者は不可)と36協定を締結し、労働基準監督署へ届出をすることで、その協定の範囲内であれば時間外労働や休日労働をさせても法律違反とはならないようにする必要があります。

必要な協定項目と延長限度時間

 36協定では次の事項を協定する必要があります。
 ①時間外労働・休日労働をさせる必要がある具体的な事由
 ②業務の種類
 ③労働者の数
 ④1日について延長することができる時間
 ⑤1日を超える一定の期間において延長することができる時間
 ⑥労働させることができる休日
 ⑦有効期間(1年以内)
 また、時間外労働をさせることができる限度時間ですが、1日を超える一定期間においては、各期間で時間外労働の限度時間が決められており、原則はこの限度時間内で協定を定めなければなりません(右図参照)。
 とはいえ、企業の運営上、臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならないことも考えられます。その場合は、通常の36協定に特別条項を加え別段の定めをすることで、その範囲内で限度時間を超えて時間外労働をさせることができます。
 なお、36協定は管轄の労働基準監督署への届出日以降にはじめて有効になります。

協定内容に変更があった場合の取り扱い

 36協定を締結する際の社員の過半数代表者は、実際に協定を締結する時点で、法の定める要件を充足していれば良いと解されています。したがって、36協定を締結した社員代表が退職しても、36協定は無効にならず、新たな社員代表と協定を締結しなおす必要はありません。事例のケース以外でも、例えば社員代表が昇進して管理監督者になったり、大量の採用などで社員数に大幅な変動があり、協定当時の要件を満たさなくなった場合も同様です。社員の「過半数」が要件とされる時期は協定の締結時点だけであり、協定の効力には影響がないため、会社はその当時に締結した36協定に基づき、社員に対して時間外労働や休日労働を命じることが可能です。
 ただし、社員数に大幅な変動があったことにより、必要な協定事項である「時間外労働・休日労働をさせる必要がある具体的な事由」や「業務の種類」といった内容に変更があるような場合は、あらためて社員の過半数代表者を選出し、再度36協定を締結した上で、管轄の労働基準監督署に届ける必要があることにはご注意ください。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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