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2016年 1月号 管理監督者の労働時間管理
管理監督者の労働時間管理

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<ある会社の事例>

 弊社では、各部署の部長以上の管理職を労働基準法上の管理監督者としています。管理監督者は残業代支給の対象にはならないと聞いたため、現在は遅くまで働いていたとしても残業代を支給しておらず、労働時間の管理もしていませんでした。職務上、時間管理を本人に任せている管理監督者であっても、会社として労働時間管理をすることは必要でしょうか。

 労働基準法では、管理監督者を時間外労働、休日労働による割増賃金の対象からは除外していますが、深夜労働による割増賃金の対象からは除外されていないため、深夜労働時間の把握のためには労働時間を把握しなければなりません。また、健康確保の観点からも、長時間労働を防止するための労働時間管理は必要です。

管理監督者とは

 チームや部署の業務管理を行う管理職ですが、会社での役割としての「管理職」と労働基準法で定める「監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)」は範囲が異なります。労働基準法上の管理監督者は「経営と一体的な立場にある者」とされ、これに該当するかどうかは、名称にとらわれず、人事権、裁量権、勤務時間、賃金などの業務実態に即して判断されます。一般的には会社での役割としての管理職よりも狭い取り扱いをしており、近年ではファーストフード店の店長などが管理監督者ではないとされた、いわゆる「名ばかり管理職」の問題もあり、労働基準法上の管理監督者の判断には注意が必要です。

管理監督者が適用除外になる労働時間とは

 労働基準法では、管理監督者は同法が定める労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用除外を定めていますが、深夜労働時間(午後10時から午前5時までの労働時間)は適用除外にはなりません。したがって、管理監督者は、労働時間が原則1日8時間、1週間40時間を超えた際に支払う時間外割増賃金や、週1回または4週4日の法定休日に勤務をさせた場合に支払う休日割増賃金の支払対象にはなりませんが、労働者を深夜労働させた際に支払う深夜割増賃金の対象にはなります。管理監督者といえども全ての割増賃金が対象外とはならないため、深夜に何時間働いたかを会社が把握するためにも労働時間管理は必要と言うことになります。また有給休暇も適用除外とはならず、通常の社員と同様に与える必要があります。

健康確保のための労働時間管理

 上記で述べた深夜労働時間の把握に加えて、健康管理の面からみても管理監督者の労働時間は管理しなければなりません。厚生労働省の通達には「管理監督者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務がある」と明確に示されています。管理監督者であっても労働者には変わりないため、会社は労働安全衛生法や労働契約法に定められる安全配慮義務を負い、もし1ヵ月に法定労働時間を100時間超過した管理監督者が申し出た場合は、会社は医師による面接指導を行わなければなりません。さらに過労死や過労自殺が起きた場合には、多額の損害賠償請求を受ける可能性もあります。最近の労働基準監督署による調査では、長時間労働対策を含む労働者の健康確保について指摘されることが多くなっています。管理監督者に対しても適切な労働時間管理を行い、長時間労働にならないよう注意が必要です。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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