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2015年 6月号 休職を繰り返す従業員への対応策
休職を繰り返す従業員への対応策

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<ある会社の事例>

 弊社は従業員が150人のIT関連業です。弊社では過去にメンタルヘルス不調による休職者が数名おりましたが、その中の1人は復職と休職を繰り返し、1年のほとんどが休職期間になっていたことがありました。現在は休職者はいませんが、もし今後同じような状況にならにいうように、会社がすべき対応策があれば教えてください。

 休職制度には法的な基準はなく、内容をどのように定めるかは会社の裁量に委ねられています。休職を繰り返す社員に対しては、短期間で再度の休職を発令する場合には前の休職期間と通算する、あるいは再度の休職期間は通常の期間より短くするなどの規定を、就業規則等に設ける対応策が考えられます。

休職とはどのような制度か

 休職とは、ある労働者について、労務に従事させることが不能または不適当な事由が生じた場合に、会社がその従業員に対し雇用関係は維持したまま、就労を免除または禁止する制度です。休職制度は法令に基づくものではないため、休職要件や休職期間、休職中の賃金の取り扱いなどの内容に関しては各会社の就業規則等で定めることが一般的です。
 類似の表現に休業・休暇・欠勤がありますが、休業は、従業員には就労の意思はあるが、経営上の都合や天災事変などの不可抗力の事由により、会社側が労働義務を免除して労務の提供を拒まなければならない場合のことです。また、産前産後休業や育児・介護休業等の法定の労働義務の免除にも休業という言葉を使用します。休暇は、休業に似ていますが、慶弔休暇や有給休暇など会社や法令で定めた短期間の労働義務の免除です。欠勤は、就労義務がある日に従業員が自らの都合で休むことをいいます。

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休職の種類

 上記で述べたとおり、休職制度は法令に基づくものではないため、制度の内容は会社ごとに異なります。一例としては業務外の傷病による長期欠勤が一定期間に及んだ際に休職を命じる「私傷病休職」や、傷病以外の自己都合による欠勤が一定期間に及んだときの「事故欠勤休職」、刑事事件に関して起訴されたものを一定期間休職扱いとする「起訴休職」などの休職制度があります。
 休職は、雇用契約の一時的停止とみる半面、解雇猶予措置という意味合いもありますので、休職事由が終了すれば復職となりますが、会社が定める休職期間が満了してもなお復職が困難な場合は、自然退職となる定めをしている会社が一般的です。

休職を繰り返す従業員への対応策

 私傷病休職の場合、休職事由の終了は傷病の治癒であるため、一度治癒が認められて復職した場合には、復職後に同一傷病によって休職を繰り返すことは従来は想定されていませんでした。しかしながら、近年増加しているメンタルヘルス不調による休職は、一度治癒したとの判断がされて復職した後も、それほど間をおかずに同一傷病によって欠勤を繰り返し、再び休職となってしまうことも珍しくありません。この場合、就業規則等で再度の休職に関する規定をしていないと、一定期間の欠勤の後、前回同様の休職期間を設定せざるを得ないため、会社の運営上大きな問題になってしまう可能性があります。
 対応策としては、復職後の同一傷病に関する欠勤は、休職に至るまでの欠勤日数を短くし、休職期間も前回の期間と通算することや、通常の休職期間よりも短くする規定をおくことなどがあります。休職に関しては、法的な基準がないため就業規則等の定めが非常に重要になりますので、現在の会社の規則がどのようになっているかは、一度ご確認されることをおすすめ致します。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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