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2015年 5月号 労働基準監督署の調査のポイント
労働基準監督署の調査のポイント

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<ある会社の事例>

 弊社は都内を中心に居酒屋のチェーン展開を主に行っており、今年の6月で設立から5年を迎え、社員は正社員だけでもうすぐ50人を超える予定です。現在は社員の残業時間は少し多めですが、就業規則や給与規程に基づいて残業代の支払いや有給付与は行っております。過去にはありませんでしたが、今後に備えて労基署調査の種類や内容について教えて頂けませんでしょうか。

 労働基準監督署の調査は年度計画に基づき実施される定期監督や、労働者の申告に基づき行われる申告監督等の種類があります。調査の内容は労働時間や割増賃金等に関わる届出や賃金支払いが労働基準法に則って行われているか、恒常的な長時間労働はあるか等で、最近では労働者のメンタルヘルス対策などの健康管理体制に関して調査されることが増えています。

労働基準監督署の調査の種類

 労働基準監督署(労基署)とは、本省である厚生労働省の指揮監督をうける各都道府県の労働局の下に置かれている機関で、全国に321の署があります。その中で約3,200人いる労働基準監督官が個別事業に対して監督を行い、労働基準関係法令違反の是正指導を行います。労基署の調査の種類は大きく分けて、
 (1)労働局及び労働基準監督署の年度計画(労働行政方針)に基づき実施される「定期監督」
 (2)労働者の申告に基づいて行われる「申告監督」
 (3)労災事故発生時に行われる「災害時監督」
 (4)定期監督で是正勧告(行政指導)などを受けた事業所を対象に、その後の是正実施状況を
     確認するために行われる「再監督」
の4種類があります。

何を調査されるのか?

 定期監督では、年度ごと定められる重点施策や重点目標に沿って調査が行われます。一般的な項目は下記の表に記載していますが、平成26年度の東京労働局行政運営方針の概要によると、従業員の長時間労働の抑制や、メンタルヘルス対策などの健康障害防止に関する指導に重点を置いて調査を行っていることがわかります。調査の場所は、労働現場である事業場で行われることが多く、労働基準監督官が抜き打ちで行うこともあれば、日時を通知して行うこともあります。また、調査時には、会社概要、組織図、労働者名簿、労働条件通知書(雇用契約書)、就業規則、36協定、出勤簿(タイムカード)、賃金台帳などの資料が求められます。

□労基署調査の項目と内容

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是正勧告と企業の対策

 調査により労働基準関係法令違反が確認された場合は、是正勧告(是正勧告書の交付)ないし是正指導(指導票の交付)が行われます。是正勧告書には、違反条項、違反事項、是正内容、是正期日が記載されていますので、これらに対して企業は是正措置を講じ、是正報告書を労基署に提出しなければなりません。東京労働局が発表している平成25年の定期監督等の実施結果によると、東京労働局管轄の定期監督実施事業場の約7割で法違反を指導しており、一番多い指導が労働時間、次いで割増賃金、労働条件明示の順番になっています。労働法令は多様で改正事項も多いため、知らない間に法違反の状態になってしまっている企業もありますので、労基署の是正勧告や是正指導に対しては前向きに捉え、職場改善の良いきっかけとして頂けれればと思っております。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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