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2015年 3月号 男性社員の育児休業について
男性社員の育児休業について

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<ある会社の事例>

 弊社では、作業効率の改善や、優秀な人材を確保するためにワークライフバランスを重視しており、出産をする女性社員はほぼ産前産後休業・育児休業を経て復職しております。現在は男性で育児休業を取得した社員はいないのですが、今後取得を推進するにあたって、もし男性社員が育児休業を取得した場合の社会保険の制度について教えて頂けませんでしょうか。

 男性が育児休業を取る際の社会保険の制度としては、(1)育児休業中の健康保険・厚生年金保険料免除、(2)雇用保険の育児休業給付金、(3)育児休業終了後の標準報酬月額変更、(4)厚生年金養育期間特例(子が3歳までは標準報酬月額が下がっても、養育前の標準報酬月額で将来受け取る年金額を計算できる)があります。

男性の育児休業取得率

 厚生労働省の2013年度の雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は2.03%で前年の1.89%よりもやや改善したものの、女性の76.3%に比べて非常に低い数字になっています。わが国の少子化対策の一環として、政府は2020年にはこれを13%まで引き上げる目標を掲げており、男性の育児参加への推進や、育児休業取得に対する雇用保険の育児休業給付金を引き上げるなど、社会保険の制度改正も進んでいます。

社会保険上の制度について

(1)育児休業中の健康保険・厚生年金保険料免除
3歳未満の子を養育するために育児休業を行う場合、育児休業開始月から終了日翌日の前月までの健康保険料・厚生年金保険料が、社員分・会社分とも免除されます。

イメージ01(2)雇用保険育児休業給付金
1歳(一定の場合は1歳6ヶ月)に満たない子を養育するために育児休業を取得した場合、休業前賃金の50%(最初の180日は67%)が育児休業給付金として支給されます。また、母親とともに父親も休業する場合、後から育児休業を開始する方は子供が1歳2ヶ月まで、最大1年間給付が受けられます。【右図参照】

(3)育児休業終了後の標準報酬月額変更
育児休業終了日の翌日が属する月から3ヶ月間に17日以上出勤している月の報酬平均額が、短時間勤務等により、従前と比べ1等級以上差がついた場合、4ヶ月目から標準報酬月額を改定することができます。

(4)厚生年金養育期間特例
育児休業終了日から子が3歳になるまで、短時間勤務等で期間中の標準報酬月額が、育児休業前と比べて低下した期間については、将来受け取る年金額を計算する際に、育児休業前の標準報酬月額として計算することが出来ます。

会社としての取り組み

 上記のとおり社会保険においては様々な制度がありますが、経済支援だけでは男性の育児休業取得率向上につながっていない現状があります。要因としては、わが国の慢性的な長時間労働や、依然として「育児は母親」という社会の意識があるということがあげられ、マタハラならぬ「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」という言葉も聞かれるようになりました。男性社員の育児休業取得を推進することは、担当業務の振り分けなど大変な部分もありますが、職場の中の仕事の効率化や情報共有化の仕組みの構築、さらに会社のブランドイメージの向上、優秀な社員の確保など、会社にとってメリットも数多く存在します。実例がない会社にとっては、積極な取得促進は難しい部分もありますが、まずは会社として男性の育児休業取得を理解し、育児休業の取りやすい風土を作ってゆくことが大切なのではないかと思います。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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