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2014年 9月号 パート社員に有給を請求された!?
パート社員に有給を請求された!?

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<ある会社の事例>

 弊社では今年の1月から週3回出社のパート社員を1名雇用しています。今年の8月に、この社員から私用のため有給を使用したいという申し出がありました。今まで正社員には法定どおりの有給を付与していたのですが、週の労働日数が少ないパート社員にも正社員と同じように有給を与える必要はあるのでしょうか。

 年次有給休暇の付与は、労働日数が少ないパート社員にも義務付けられており、勤務要件を満たせば雇い入れ日から6ヵ月経過後に有給を与えなければなりません。ただしパート社員の有給付与日数は週または1年間の所定労働日数に応じて決められており、事例の週3日出社のパート社員が勤務要件を満たした場合は、雇い入れ6ヵ月経過後に5日の有給を付与する必要があります。

年次有給休暇とは何か

 年次有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される労働基準法で定められた休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のことです。年次有給休暇が付与される要件は(1)雇い入れの日から6ヵ月以上経過していること、(2)その期間の全労働日の8割以上出勤したことの2点で、それ以降は1年ごとに、前1年間の全労働日に8割以上の出勤をすれば、下図の日数を付与する必要があります。また、年次有給休暇は原則労働者が請求する時季に与えなければならず、使用者は事業の正常な運営を妨げる場合のみ、他の時季に変更することが出来ますが、年次有給休暇を付与しないということはできません。また、年次有給休暇の時効は2年間です。

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パート社員の有給付与日数

 パート社員等についても、上記の勤務要件を満たした場合は、年次有給休暇を付与する必要があります。ただし、通常の労働者に比べて所定労働日数が少ないパート社員等には、比例付与といって週または1年間の所定労働日数に応じた年次有給休暇(下図参照)を与えます。事例のパート社員は、雇い入れから6ヵ月以上経過しており、週の所定労働日数が3日のため、勤務要件を満たしている場合は年間5日間の年次有給休暇を付与しなければなりません。

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有給取得時の賃金の取り扱いについて

 年次有給休暇を取得した場合の賃金の計算方法は(1)平均賃金、(2)所定時間労働した場合に支払われる通常の賃金、(3)健康保険法の標準報酬日額に相当する賃金(労使協定が必要)、の3つがあります。一般的には上記(2)の通常の賃金を支払うケースが多く、月給者であれば休暇を取得した日の賃金を減額せず、時給者であれば時給額にその日の所定労働時間数を掛けた賃金を支給します。
 勤続年数により付与日数が決められている正社員に比べて、勤続年数に加え1週間や1年間の所定労働日数で付与日数が異なるパート社員の年次有給休暇のしくみは複雑ですが、事例のように突然請求されることもありますので、注意が必要です。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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