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2014年 7月号 インターンシップ中にけがをしてしまったら?
インターンシップ中にけがをしてしまったら?

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<ある会社の事例>

 A社は従業員約200人の金融業です。A社では、毎年7月に5人ほど大学生のインターンシップを行っております。インターンシップの内容は、社員の仕事見学や企画会議体験等で実際の業務に関わることではなく、学生には交通費以外の賃金の支給はありません。この度、学生の一人が実習中に社内で転んでけがをしてしまいました。このけがには労災保険が適用されるのでしょうか。

 今回のケースでは、インターンシップ中の実習内容や支払われる賃金から労働者ではないと判断され、労災保険は適用されません。
 もし労災保険が適用されない場合は健康保険が適用されますので、けがをしたインターンシップ生は健康保険からの給付を受けることになります。

インターンシップと労災保険

 インターンシップとは、一般的には学生が会社において実習・研修的な就業体験をする制度であり、会社にとっても学生のスキルの見極め等採用活動上のメリットもあることから広く活用されている一方で、その実習の実態から労働者性が問題となるケースも増えています。
 労災保険は、労働者が業務上の事由または通勤による災害に対して給付され、労災保険が適用される事業のすべての労働者が対象になります。労働基準法では労働者を「職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義しており、事例のインターンシップ生に労災保険が適用されるかどうかは、学生が労働基準法上の労働者にあたるかを個々の実態に即して判断する必要があります。
 今回の事例では、インターンシップ生の実習内容が仕事見学等であることから、会社の業務に係る指揮命令は受けておらず、さらに交通費以外の賃金は支給されないことからも実習の対価としての手当は支給されておりませんので、労働基準法上の労働者にはあたらず、労災保険は適用されません。

インターンシップ中のけがによる健康保険の適用について

 労災保険が適用されないインターンシップ生のけがには、対象者が既に加入している健康保険(親の被扶養者、国民健康保険等)が適用されます。健康保険では業務中のけがを給付の対象外としており、以前はインターンシップやシルバー人材センター業務等の、労災保険が適用されない業務中のけがは健康保険の対象にならず、高額な治療費が発生するケースが度々起こっておりました。そこで平成25年10月1日より健康保険法が改正され、労災保険が適用されない業務中のけがに対しては、一部の役員を除き健康保険からの給付が受けられるようになりました。

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インターンシップ生が労働者にあたる場合の注意点

 もしインターンシップ生が通常のアルバイトと同じように現場の指揮命令を受けて作業を行い、その対価として手当が支給される場合は、そのインターンシップ生は労働者にあたります。
 その場合は、業務中のけがに対して労災保険が適用されますので、支払う手当は賃金となり、労働保険料の申告・納付の際にはその手当を計算に入れなければなりません。また、労働者には労働基準法や最低賃金法等の法令が適用されることから、法令を下回る労働条件にならないように注意することが必要です。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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