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2014年 1月号 継続雇用制度の対象となる従業員とは?
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<ある会社の事例>

 A社の現在の定年は60歳で、希望者には嘱託社員として65歳まで再雇用する制度が有ります。A社ではまもなく60歳を迎える従業員が数名おりますが、その際、健康状態の悪化等で、継続して働くことが困難な従業員に対しても、本人が希望すれば必ず再雇用をする必要があるのでしょうか。

 当従業員がA社の就業規則で規定されている解雇・退職事由(心身の故障のため業務に堪えられないと認められること等)に該当すれば、原則65歳までの希望者全員の継続雇用を義務付けている高年齢者雇用安定法の例外として、継続雇用制度の対象外とすることができます。

高年齢者雇用安定法とは

 日本の高齢化は世界に類をみない速度で進み、2030年には総人口の約3人に1人が65歳以上の高齢者になることが見込まれています。また、年金支給開始年齢の定額部分は2013年に65歳に引き上げられ、男性の報酬比例部分についても2013年から2025年にかけて段階的に引き上げれられる予定になっています。(女性に関しては5年遅れ)このため、高年齢者が出来るだけ長く働くことが出来るようにと昭和46年に高年齢者雇用安定法が制定され、まずは60歳未満の定年を禁止しました。そして高年齢者雇用安定法は時代情勢に合わせて改正を重ね、現在では定年を65歳未満としている会社に、下記の措置のいずれかを実施するように義務付けています。
 (1)定年年齢を65歳まで引き上げ
 (2)希望者全員を65歳まで継続雇用する制度の導入
 (3)定年制の廃止
このなかで(2)の継続雇用制度は原則として希望者全員が対象になりますが、平成25年3月31日までに対象者を限定する基準を労使協定で設けている場合は、年金の支給開始に合わせた経過措置が認められています。(下図参照)

【継続雇用制度の経過措置表】

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継続雇用制度の対象外となる従業員

 では、事例の会社のように、上記の継続雇用制度の経過措置を実施していない場合、例え継続して働けるような健康状態になくても、本人が希望すれば会社はこの社員を雇用し続けなければならないのでしょうか。
 この問題に関して、厚生労働省の改正高年齢者雇用安定法に基づいて策定された指針には、就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く)に該当する場合には継続雇用をしないことが出来ると定められており、その具体例として「心身の故障のため業務に堪えられないと認められること」「勤務状態が著しく不良で従業員としての職責を果たし得ないこと」などが挙げられています。
 よって、もし事例の会社の就業規則にこのような解雇事由や退職事由が規定されており、当従業員がこの規定に該当する場合は、本人からの希望があっても会社は継続雇用の対象者にしないことが可能です。
 しかしながら、今後の日本社会において高齢者雇用は最大の課題の1つです。全社的な賃金構造の見直しを進めると共に、高齢者雇用に関するメリット・デメリットを考えながら、各会社に適合した措置を検討することが必要です。

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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