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2013年 12月号 派遣先が負う労働法上の責任とは?
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<ある会社の事例>

 A社は従業員30人のIT関連企業で、現在は正社員のみを雇用しています。この度、業務拡大に伴い派遣労働者を採用する予定なのですが、派遣労働者に対して時間外労働を命じることは出来るのでしょうか。また、A社は派遣社員に対して、法律上の責任をどこまで負う必要があるのでしょうか。

 派遣会社での36協定の締結、派遣労働者と派遣会社との労働契約上での明示、派遣会社と派遣先の派遣契約上での明示があれば、派遣社員に残業を命じることが出来ます。また労働時間・休憩・休日や特殊健康診断等、実際の労務提供に密接な関係を有する事項については、派遣先に法律上の責任が生じます。

派遣労働者に残業をさせるためには

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 労働者派遣とは、派遣会社で雇用している労働者を、他社に派遣し、その事業所の指揮命令の下に、そこでの業務を行わせるというものです(右図参照)。似たような形態として請負というものがありますが、請負は注文主が請負労働者に指揮命令出来ないのに対し、派遣では派遣先が派遣労働者に直接指揮命令出来るというのが特徴です。
 その派遣労働者に対して時間外労働を命じるためには、まず雇用主である派遣会社が休日・時間外労働に関する協定(36協定)を交わしており、さらに派遣会社と派遣労働者を雇い入れる際に、労働契約書や就業規則で時間外や休日労働があることの明示が前提の条件となります。その上で派遣会社と派遣先との労働者派遣契約において、派遣労働者に時間外労働を命ずる場合があることが明記されていれば、派遣労働者に対して残業をさせることが出来ます。
 派遣労働者と雇用契約を結んでいるのは、派遣先ではなく派遣会社であるということがポイントです。

派遣先が負う労働法上の責任とは

 しかしながら、派遣先は派遣労働者と雇用契約は結んでいなくても、派遣先の事業所においてそこの指揮命令の下に実際の業務を行うものであるため、本来派遣会社が負うべき責任の一部についても、派遣先が派遣労働者を使用するものとみなして、使用者としての責任を負わせるとされています。一方で、年次有給休暇や一般健康診断等の労働契約に直接関係するものは派遣会社に責任があり、均等待遇や申告を理由とする不利益取り扱いの禁止等は派遣会社と派遣先双方に関係するものとして、どちらの会社も責任を負うとされています(下表参照)。
 また、このような法律で義務付けられた措置に加え、派遣労働者が就労する場所である派遣先と、派遣労働者と雇用関係にある派遣会社が相互に密接に連絡調整をすることも、派遣労働者の安全衛生を確保するため求められています。

【派遣労働者に対する主な責任区分】

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資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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