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2013年 8月号 インターネットで社内事情を公表された場合
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 会社に対する不満から会社の名誉を毀損するような行為は、以前からありましたが一昔前ならば、会社の前でビラを配ったり、会社の掲示板にビラを貼り付けていたものでした。したがって、比較的古い就業規則では、従業員の服務規律には「会社の許可なく内容如何にかかわらず、ビラを配布したりしないこと。」というように書かれています。しかし、今はネットの時代。自分のホームページやブログを開設している人は無数に存在しています。

ある食品会社の事例

 A食品会社のBさんは、ブログを公開日記のような形式にしており頻繁にブログを更新していました。私的な事柄だけが書かれていれば問題なかったのですが、会社への不満が書かれていることがありました。それが段々とエスカレートしていき、サービス残業や有給休暇が取得できないといった内容を書くようになりました。何処の会社かは以前の記事から続けて読んでいくと特定できるような書き方でした。その結果、契約を断られるという事態も発生してしまいました。

従業員への損害賠償請求と懲戒解雇処分は可能か・・・?

社長としては取引を失ったことの損害賠償と当該従業員の懲戒解雇処分を検討しました。しかし、専門家等にも相談した結果、

  1. かなり以前に作成した就業規則にこういった場合を想定しての根拠規定が存在していないこと(会社の名誉・信用を害する行為を禁止する規定等)
  2. また、契約を断られた相手の会社もその断った理由としてはっきりとブログの記事が原因だとは明言していないこと(匂わせてはいましたが)
  3. 公益通報者保護法との兼ね合いなどのことを考えると懲戒解雇処分も損害賠償請求も無理があると結論し、さらにその様な措置を取った場合、当該従業員の退職後もインターネットを通じた会社への誹謗、中傷を書く可能性もあり、話し合いの結果、当該従業員の自己都合退職ということになりました。

 会社の現状を考えると、この時点での会社の対応はやむを得ないところだったと思います。残業代の件もこの会社は、残業代は基本給に含まれているという立場でしたが、賃金規程には含まれているという条文があるだけで何時間分とも書いていず、残業代について明確になっておらず、有給休暇についての条文はあるにはありますが、申請する手続きなどがはっきりしていずに口頭での許可願いのようになっており、言い出しにくい雰囲気を作っていて、ほとんどの従業員は有給休暇を取得していませんでした。

 会社の現状を考えると、この時点での会社の対応はやむを得ないところだったと思います。残業代の件もこの会社は、残業代は基本給に含まれているという立場でしたが、賃金規程には含まれているという条文があるだけで何時間分とも書いていず、残業代について明確になっておらず、有給休暇についての条文はあるにはありますが、申請する手続きなどがはっきりしていずに口頭での許可願いのようになっており、言い出しにくい雰囲気を作っていて、ほとんどの従業員は有給休暇を取得していませんでした。

 とはいえ、そういった会社の事情は今後直ちに是正するべき課題とするべきですが、服務規律等を現代の労働問題に適合するべきです。例として服務規程等には、

  • 会社の内外を問わずまた在職中のみならず退職後も、業務上の機密事項又は不利益となるような事項をツールの手段を問わず他に漏らさぬこと。
  • 会社の名誉を害したり信用を傷つけるような行為又は会社の不利益となる様な行為をしないこと。 などの規定を設けるべきです。さらに、以上の規定に反して会社に不利益をもたらした場合の損害賠償についても明文化しておくべきでしょう。

また、3の公益通報者保護法との兼ね合いについても研究が必要だと思います。公益通報者保護法では、労働者が不正の目的ではなく、企業の犯罪行為など違法行為を警察や所轄行政官庁に通報した場合には、その労働者を解雇したり不利益な取扱いをしないことが義務付けられています。 このことに関しては添付資料でお話しします。

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詳細な資料のダウンロードはこちらから(PDF)

資料作成:社会保険労務士 吉田達事務所 吉田達
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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