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2013年 5月号 無期労働契約への転換!転換前に雇止めできる?
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<日立メディコ事件>(昭和61年最高裁第一小法廷判決)

 Xは、昭和45年12月1日から同月20日までの期間を定めてYの柏工場に臨時員として雇用され、同月21日以降、期間2ヶ月の労働契約が5回更新されてきましたが、Yは不況に伴う業務上の都合を理由に、昭和46年10月21日以降の契約の更新を拒絶しました。

 原判決は、本件雇止めの効力を判断するに当たって、次のとおり判示しています。
「柏工場の臨時員は、季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものではなく、その雇用関係はある程度の継続が期待されていたものであり、Xとの間においても5回にわたり契約が更新されているのであるから、このような労働者を契約期間満了によって雇止めするに当たっては、解雇に関する法理が類推され、解雇であれば解雇権の濫用、信義則違反または不当労働行為などに該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかったとするならば、期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は従前の労働契約が更新されたのと同様の法律関係となるものと解せられる。」としました。

  平成24年8月10日「改正労働契約法」が公布され、有期労働契約の新しいルールができました。公布と同日に不合理な労働条件の禁止に関する規定が施行され、平成25年4月1日から無期労働契約への転換と「雇止め法理」の法制化に関する規定が施行されました。

無期労働契約への転換

 有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できることになりました。このルールは平成25年4月1日以降に開始した労働契約について適用され、無期労働契約の労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間など)は、別段定めがない限り、直前の有期労働契約と同一となります。別段の定めをすることにより変更も可能です。

「雇止め法理」の法定化

 次のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、「客観的に合理性を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は雇止めが認められず、従前と同一の労働条件で有期労働契約が更新されたものとみなされます。
 (1)過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
 (2)労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの

不合理な労働条件の禁止

 無期労働契約への転換ルールの導入にあたり、労働者を解雇しにくくなるのではないかとの懸念から、転換前に雇止めとする場合や、契約更新に予め5年未満の上限を設けたりする場合が増加するのではないかと心配されています。長期に雇用することによる労働者の能力の向上や必要は人材の確保、安定した雇用を約束されることによる労働者の意欲の向上など無期労働契約へ転換することによるメリットや立法趣旨を踏まえて慎重に検討して対応することが必要です。

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資料作成:根岸人事労務事務所 根岸純子
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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