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2013年 3月号 65歳定年は義務?
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<高年齢者雇用安定法の改正のポイント>(東京地裁平成18年1月13日判決)

 この事件は、被告の国際関係学部の教授であった原告が、同学部の就業規則に基づく運用取扱いにより平成16年3月31日をもって65歳による定年退職となりましたが、被告における同学部では定年延長の慣行があり、70歳に到達して退職になるのが通例であるとして、同学部における教授の地位確認及び平成16年4月1日以降の月額給与の支払いを請求し認められました。裁判では、70歳に達して退職となる労使慣行が認められ、それが大学と教員間の労働契約の内容になっていると解されるとされています。

 現在、65歳未満の定年制を採用し、65歳までの継続雇用の対象者を労使協定で限定している企業は見直しが必要になります。今回の改正のポイントは次の通りです。

継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止

 65歳未満の定年を定めている事業主が、高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度を導入する場合、現行の法律では、継続雇用の対象者を限定する基準を労使協定で定めることができます。今回の改正でこの仕組みが廃止され、平成25年4月1日からは、希望者全員を継続雇用制度の対象とすることが必要になります。ただし、平成25年3月31日までに継続雇用制度の対象者の基準を労使協定で設けている場合は、経過措置(年金受給年齢以上は基準を適用すること)が認められています。

 ※高年齢者雇用確保措置とは、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止のいずれかの措置を
  講ずることをいいます。平成25年4月1日から「改正高年齢雇用安定法」が施行されます。

継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大

 定年を迎えた高年齢者の継続雇用先を、自社でなく、グループ内の他の会社(子会社や関連会社など)まで広げることができるようになります。子会社とは、議決権の過半数を有しているなど支配力を及ぼしている企業をいい、関連会社とは、議決権を20%以上有しているなど影響力を及ぼしている企業をいいます。この場合は、継続雇用についての事業主間の契約が必要になります。

義務違反の企業に対する公表規定の導入

 高年齢者雇用確保措置を実施していない企業に対しては、労働局、ハローワークが指導を実施します。指導後も改善がみられない企業に対しては、高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告を行い、それでも法律違反が是正されない場合は企業名を公表することがあります。

高年齢者雇用確保措置の実施・運用に関する指針

 対象者基準の廃止後の継続雇用制度の円滑な運用に資するように、企業現場の取扱いについて労使双方に分かりやすく示すため、高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針を新たに策定することになりました。

 今回の改正では、65歳への定年引き上げを義務付けているものではありませんが、年金受給開始までは意欲と能力に応じて働き続けられる環境の整備を目的として希望者全員が継続して働ける制度を設けることを義務付けています。判例のように労使慣行が優先される場合もあります。制度を労使慣行に変更することで定年引上げ等奨励金(3月31日までに廃止)に該当する可能性もありますので、早めに見直しをしましょう。

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資料作成:根岸人事労務事務所 根岸純子
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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