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2011年 9月号 大規模災害と労災事故 ― 東日本大震災に関連した労災保険 ―
大規模災害と労災事故
― 東日本大震災に関連した労災保険 ―

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3月11日に発生した東日本大震災は、日中に起きた災害であったため、仕事中や避難途中に災害に遭 われた方が多くいらっしゃいました。そこで、震災に関連した労災保険についてまとめてみました。

◆労災保険とは

 労災保険とは、労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気になったり、障害者になったり、あ るいは死亡した場合に、被災労働者や遺族を保護するために必要な保険給付を行うものです。業務上の理由に よるものを業務災害、通勤によるものを通勤災害と呼びます。

◆業務災害

 業務災害は「業務遂行性」と「業務起因性」という基準によって判断されます。業務遂行性とは、労 働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態をいいます。また、業務起因性とは、業務を原因 として災害が発生して、その災害によって傷病が発生するという相当因果関係をいいます。

◆通勤災害

 通勤とは、労働者が就業に関し、住居と就業場所との間を合理的な経路及び方法により往復することをいい、 業務の性質を有するものを除くものとされています。移動の経路を逸脱し又は往復を中断した場合においては、 逸脱又は中断した間及びその後の往復は通勤とはなりません。但し、逸脱又は中断が日常生活上必要な行為で あって、例外的に認められたやむを得ない事由により行う場合は逸脱又は中断の間を除き通勤とされます。

◆仕事中に地震や津波に遭遇してケガ(死亡)した場合は?

 仕事中に地震や津波に遭いケガをされた(死亡された)場合には、通常は業務災害として労災保険給付を受 けることができます。事業場内施設で働いていた場合も出張や社用で外出していた場合も労働契約に基づき事 業主の支配下にあり、地震によって建物が倒壊したり、津波にのみ込まれるという危険な環境下で仕事をして いたと認められるからです。ただし、仕事以外の私的な行為をしていた場合は認められません。

◆避難途中に津波によりケガ(死亡)をした場合は?

仕事中に地震があり避難することは、仕事に付随する行為となります。津波に限らず、避難行為中にケガを された場合は、通常は業務災害をして労災保険給付が受けられます。また、会社からの帰宅途上で津波警報が 出たため自宅へ向かわず避難場所へ移動する際にけがをした場合も、通勤に伴う行為になりますので、通勤災 害として認定されます。

◆行方不明の場合の特例の創設

東日本大震災による災害により行方不明となり3ヵ月間その方の生死がわからない場合、又は死亡が3ヵ月 以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合は、平成23年3月11日にその方が死亡され たものと推定される規定が設けられました。今回の特例により、東日本大震災による災害により行方不明とな り、その方の生死がわからない場合でも、労災保険の遺族年金又は一時金の請求ができることとなりました。

このたびの震災により被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。

資料作成:根岸人事労務事務所 根岸純子
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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