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2015年 1月号 中国安全生産法の改正・施行のポイント
フィリピンにおけるテロ犯罪の現状

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 2014年12月1日付で「中華人民共和国安全生産法」(以下、同法)が改正・施行されました。同法は中国における労働者の権利・義務を定めた「中華人民共和国労働法」のうち、主として労働安全衛生に関わる事項の詳細を規定したもので、2002年11月に施行されました。しかし、同法の施行以降も中国の生産現場では、大規模な労災事故が頻発していることから、生産現場における労働安全対策の更なる強化を目的として今回の法改正がなされたものです。
 今月は同法の主な改正内容と企業における同法改正を踏まえた安全生産管理態勢の見直しのポイントについて解説します。

中国安全生産法の主な改正内容

 今回の改正は同法の施行以来初めてとなるもので、実に12年ぶりの改正となります。また改正内容も、全52項目にわたる大掛かりなものとなっています。今回の改正のうち、生産現場を抱える事業者に直接関係する改正は、主に以下の3項目です。
 (1)特定危険事業者の追加
 (2)保護対象労働者の追加
 (3)安全管理態勢の強化
以下にそれぞれの項目ごとの改正点のポイントを解説します。

(1)特定危険事業者の追加
 同法では、生産活動にかかわる事業者のうち、特に労働者に対する危険が大きい事業者を特定しています。改正前は「危険物品の生産・経営・保管を行う事業者」、「鉱山事業者」、「建設施工業者」の3種類でしたが、今回の改正では、「金属精錬事業者」と「道路運輸事業者」が新たに追加されました。
(2)保護対象労働者の追加
 改正前は、「従業員」を安全管理の対象と定めていましたが、今回の改正では派遣労働者や職業実習生(中等職業学校や高等学校の学生らによる現場実習生など)も新たに追加され、従業員と同様に安全管理を統一的に運用するよう求めています。
(3)安全管理態勢の強化
 今回の改正における大きな変更点の1つであり、当局が生産事業者による安全管理態勢の強化を重視していることが伺えます。主なポイントは以下の2点です。
 ◇安全生産管理機構の機能および安全生産管理人員の役割が明確化・強化
  →同機能の設置・配置に関する従業員数要件が厳格化されるとともに、同機能の職責が
   明文化されました。
 ◇生産事業者に対し安全確保を目的とした、生産に関わるリスクマネジメントの実施を義務付け

企業における安全管理態勢見直しのポイント

既に多くの企業が構築・運営している安全生産管理態勢に関わる、今回の法改正を踏まえた、主な見直しのポイントは以下の通りです。

*安全生産管理に関わる責任者および役割・権限・責任を明確にする

 同法では、「主要責任者」、「安全生産管理人員」などの責任者や「安全生産管理機構」の配置を要求しています。このため、社内におけるこれら関係者を具体的な役職ないし固有名詞レベルで特定することが必要です。また安全生産の取組みの実効性を確保するために、これらの責任者について、それぞれの役割・権限・責任を業務分掌などで明確にしておくことが求められます。

*意思決定のルールを整備する

 通常、安全生産に関する規程の制定や重要な変更については、董事会での付議事項になると思われますが、同法では事前に労働組合と、「安全生産管理機構」もしくは「安全生産管理人員」の意見を聴取するよう求めています。このため関連規程の制定や重要な変更の際は「安全生産管理機構での審議」→「労組同組合との協議」→「董事会での承認」とすることを予め定めておくことが必要となります。

*安全教育の年間活動計画を策定する

 今回の法改正では、主要責任者の職責として「安全生産に関する教育・訓練の計画を策定すること」が新たに追加されています。法改正の趣旨を踏まえつつ、安全教育に関する年間活動計画を策定し、組織的・体系的な安全教育を継続的に実践するとともに、教育の効果を検証することが、企業にとって今後さらに重要になります。

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