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2014年 11月号 米国雇用慣行責任の親会社への波及
米国雇用慣行責任の親会社への波及

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 海外展開により、海外に現地法人を設立して、現地の従業員を雇用しますが、派遣された海外駐在員の方は人事、労務、労働争議その他雇用に起因する様々な問題を抱えます。
 今月はアメリカにおける現地法人の雇用訴訟に親会社も巻き込まれるリスクについて考えてみます。

米国の雇用慣行責任(Employment Related Practice Liability)とは?

1.概要
 雇用から派生する法的な責任は多様で、労働災害や第三者賠償に関わる使用者責任等がその典型であるが、企業の人事、労務制度やそれに基づく管理等の雇用慣行に起因して生じる損害賠償責任が、1990年代から「雇用慣行責任(Employment Related Practice Liability)」)と呼ばれ、広く認知されるようになりました。
 この問題は、1967 年年齢差別禁止法(Age Discrimination in Employment Act)、1990年障害米国人法(Americans with Disability Act)、1991年公民権法第7編(Title VII of Civil Right Act)等の連邦差別禁止法や州雇用関連法に基づく雇用(処遇)差別(Employment Discrimination)、不当解雇(Wrongful dismissal, termination or discharge)、セクシュアルハラスメント(Sexual harassment)等の損害賠償請求訴訟という形で企業に影響を与えます。
 また、米国法は柔軟であり、本来会社法で有限責任を前提に設立された子会社が責任を果たせない惧れがある場合、その事実的背景と衡平法の要求があれば、「代理(”Agency”)」や「分身(”Alter ego”)」という法理に基づき、その責任を親会社にまで及ぼすことがあります。

2.事例

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企業への影響

1.損害賠償金及び訴訟コスト
 敗訴した場合の損害賠償金のみならず、訴訟の為の弁護士費用等が発生する。また、長期化する訴訟とその費用を勘案した場合、早期解決のために和解金の支払いに応じなければならない。
2.他の従業員への連鎖
 会社と非友好的な他の従業員に対する影響は必ずあり、訴訟参加を行って来たり、同様の類似訴訟が起こされる可能性がある。

本社、海外拠点の取るべき対策

*窃盗・強盗対策

>米国派遣駐在員については、派遣前研修にて雇用関係法、「してよいことと悪いこと」について十分な教育を実施する。
>子会社が親会社の「代理や分身」ではないことを、明確化する為に、親会社による子会社の執行支配は厳に慎み、あくまで子会社に派遣した役員の判断と執行役員による経営管理を尊重する。
>子会社を担保するERPL保険には、念のため、親会社を追加被保険者として登録する。

*海外拠点における対策

>派遣された邦人駐在員役員は、取締役会で雇用関連法を満足する雇用方針(Employment Policy)を決定し、駐在員のみならず全社員にコンプライアンスプログラムで雇用関連法の遵守を指示、監視する。
>法違反に関わる内部通報制度および窓口と、外部弁護士をメンバーに含めた公平かつ適切な社内機関による情報管理とプライバシー保護に留意した調査、公平な社内処分を行える体制を整備する。
>リスクファイナンスとしてERPL保険に加入する。

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