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2014年 1月号 海外におけるリコール対策
海外におけるリコール対策

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 企業が海外進出・展開を行う際、自社製品の不具合によるリコールを想定して、当該国における法律、行政上の要求事項を確認し、自社事業の利害関係者と協力関係を築き、具体的なリコール計画を検討しておく必要があります。
 本号では、過去のリコール事例を踏まえて、海外子会社とその親会社のとるべき対策を紹介します。

リコール事例

~米国で海外子会社が監督官庁から提訴されたケース(2010年)~

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  • 大手小売メーカーA社の米国持株会社と現地法人は、連邦基準を上回る鉛を含む玩具を輸入、カリフォルニア州等で販売していたとして、米国消費者製品安全委員会(CPSC)から訴追を受け、2年前から5回の自主回収を行ってきた。
  • 最終的に2社は205万米ドル(2.1億円超)の罰金支払のみならず、製品安全管理態勢の確立と、独立した製品安全責任者の設置などを含む合意判決を受諾し、判決内容の完了までは玩具や子供用製品の米国輸入や事業を禁止された。

上記事例から学ぶリコール対応における留意点

(1)各国における製品安全基準の確認

  • 製品安全に関わる規制は国ごとに異なります。上記事例も、当時の日本にはなかった鉛の規制であり、米国において事故が多発した為、CPSCが規制を強化していました。
  • また、近時の製品安全規制は、2013年に発行されたISO10377(消費者製品安全‐供給者のためのガイドライン)にみられるように、従来の法令による詳細な要求仕様から「十分に合理的な消費者の安全性を備えること」というような要求仕様となり、実際の製品安全確保は企業がその製品安全管理態勢に基づき、自主的にリスクアセスメントを行って実現しなければならない、という世界的な潮流にあります。

(2)各国の製品事故報告制度やリコール制度の確認

  • 2013年、国際リコール規格ISO10393(消費者製品リコール‐供給者のためのガイドライン)が発行されましたが、製品欠陥や製品事故を認知した場合の監督官庁に対する報告や、リコール実施に関わる法令、行政の要求仕様は各国でかなり異なります。最低でもこれらの法令、行政の要求の最新の内容を確認するのみならず、自社の事業や利害関係者との関係で当該法令や要求を遵守する上で問題となり得る点を確認することが不可欠です。

(3)親会社による管理体制構築の支援

  • 上記事例のように、直接的に影響を受けるのは海外子会社であり、その財務基盤が強固でなければリコール費用、罰金等により破綻する可能性もあります。親会社のガバナンスとして、海外子会社にこのような事態を回避する為の製品安全管理態勢、リコール管理体制の構築を行わせ、そのシステムを運営管理させるとともに、必要な資源を確保する為に増資等による財務上の支援を行うことが求められます。

企業(親会社、海外子会社)の取るべき対策

親会社のみならず、海外子会社も以下の対策を実施することが必要です。

  1. 製品安全管理態勢を確立し、リスクアセスメントによる製品安全の確保を行う。
  2. トレーサビリティを確保する為に、販売する製品には「いつ、どこで製造され、どこに販売されたか」等必要な情報を表示し、海外子会社は販売網を含み、製品の最終所有者(販売店、購入者)が特定できる製品販売情報管理体制の構築を行う。
  3. 海外子会社は、製品供給国における製品安全規制とリコール制度を必ず確認、理解し、当該国の監督官庁からの発信情報を確実にモニターして、遵守する。また、監督官庁へのアクセスの為、必要な資源(弁護士等)を確保する。
  4. 海外子会社は、販売網におけるすべての当事者に対して正しい製品情報の提供、教育を行う体制を確立する。
    また、有事におけるリコール管理体制を構築し、リコール計画、体制について利害関係当事者へ開示、説明の上、リコール実施時の役割と協力について事前に要請、またはその準備を行う。

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