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2013年 11月号 海外勤務とメンタルヘルス
海外勤務とメンタルヘルス

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2013年2月号では、海外駐在員として海外現地法人の管理者として派遣された方々やそのご家族に、赴任後精神的な障害が生じ、業務が遂行できなくなって医療機関に受診したり、場合によっては自らその命を絶たれることがあることを解説しました。今回は、この問題の具体的な環境要因を探り、その要因毎に企業の個別対策を考えてみます。

海外勤務環境のメンタルヘルスへの影響

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【1】言葉や文化の壁があること
これは言うまでもないことですが、特に昨今の急激な海外進出・展開により、この問題を克服するための語学学習や赴任国の実情調査について十分に準備ができていない状態で赴任せざるを得ないという事情が挙げられます。特に英語を公用語としない国では、当該国の母国語が不自由なことにより、さらに日常生活や他者とのコミュニケーションにおいて壁を感じる機会が多くなり、ストレスにつながりやすいと言えます。
【2】突然、組織の上位管理者となり、外国人従業員の管理責任を負うこと
国内では担当級であった人材が、海外現地法人へ派遣されると、突然部長や役員となり、担当職の他に現地従業員の教育、育成、労務管理責任を負う場合も想定されます。しかし、管理経験がなく、管理能力が未熟であることに加え、部下とのコミュニケーションギャップが生じると、駐在員本人にとって大変な負担となります。
【3】業務や家庭におけるストレスが発散しにくい状態にあること
国内でも業務上のストレスによる精神障害が発生しますが、海外では言語や文化を共有できる邦人が少なく、悩みや愚痴を聞いてくれる人もなく、責任感から一人で抱えなくてはならない状況に陥りやすいと言われます。また、家族が海外でのコミュニケーションや対人関係での不満、不調や問題があれば、それも駐在員本人が受け止めなければならないことが容易に想定されます。
【4】精神的障害が発見しにくい環境にあること
駐在員本人が上位管理者の場合、その心身の健康を管理する上位者が現地にいないため、精神的な健康状況のモニタリングが困難な環境にあります。また、邦人の精神状況を理解できる医療機関や関係者の確保も困難です。
【5】精神的障害への対策が採りにくい環境にあること
現地の重要なポストを占めることが多い派遣駐在員は、業務上の要請から、少々の異常や障害が感じられても、現地法人経営が優先され、直ちに専門医療機関に受診したり、休暇を取得することが困難な状況にあります。また、本人も精神衛生問題で業務遂行に問題があると、考課上に悪影響が及ぶことを危惧して、障害を秘匿する傾向があります。

企業の対策

企業は社員の現地派遣前及び派遣後にも以下の対策を講じることが重要です。

  1. 派遣駐在員の人選においては往々にして言語能力のみならず、外国人に対する総合的な対人コミュニケーション能力(伝達意思、努力にかかわる積極性と柔軟性)を確認することが必要です。これは言語能力の低い候補者の環境変化への耐性に関わる評価としても有効といえます。
  2. 選抜された社員には、赴任までの間に当該地における職責とこれに応じた管理者教育を実施することが必要です。その為には、当該地の業務に関わる国内業務を担当させ、可能であれば出張等により現地環境を予め反復して経験させることが有効です。
  3. 派遣後も業務報告を通じて本人の精神的健康状態のモニタリングを行うのみならず、一時帰国時等には定期健診の一環として専門医による本人のヒアリングを行うことが重要です。また、これは帯同家族についても同様に実施することが望ましいとされます。
  4. 上記 3.のモニタリングプロセスで異常や障害の兆候が感じられた場合は、必ず人事担当者による直接面談等、迅速な確認と 早期の医療措置を講じることのできる態勢を取ることが必要です。
  5. 平時からこのような事態に備え、応援体制や代替要員について検討を行い、海外拠点の医療体制を点検することが必要です。

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