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2013年 3月号 アジア地域における労働争議と企業の対策
アジア地域における労働争議と企業の対策

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ここ数年で大きく取り上げられている海外での労働争議やストライキは、工場が操業停止に追い込まれたり、駐在員および従業員に被害がおよぶなど、企業にとって大きな問題となっています。企業としては各国の労働法令・慣行の知見を予め入手し、適切な労務管理を行うための対策を講じておくことが必要です。

労働争議の概況

イメージ01

日系企業が多く進出する以下3国での概況と実例は次の通りです。

【中国】
概況:発生件数(2012年)は前年比6.4%増の151万2千件。2008年の労働者
   の権利尊重のための新労働契約法施行以降、労働条件の改善を要求する
   ストが頻発。日系企業も対象となることが多い。
事例:2010年、中国にある日系メーカーの工場2ヶ所で従業員約900人が賃上
   げや待遇改善を求めて約1週間のストライキ。
【インド】
概況:発生件数は漸減の一方、規模は大型化。解雇を巡る労使間の裁判(企業側が殆どのケースで敗訴)も
   頻発。長期化・過激化するケースも見られる上、管理者側に死傷者の出るストライキや争議も発生。
事例:2011年、インドにあるメーカーの工場幹部が、車で外出する際に一時解雇の対象となった従業員らに
   取り囲まれ、閉じ込められ、車に放火されて死亡。
【ベトナム】
概況:2006年頃から増加基調。また、違法ストも増加。日系企業工場における大規模な賃上げストも見られる。
事例:2012年、ハノイにある日系メーカーの工場で大規模な賃上げストが発生。同じ工業団地内の他の日系
   企業にもストが波及。

労働争議発生の原因

イメージ02  ◇邦人管理者の問題
現地労働法令・慣行の知識や労務管理スキルの不足に加え、言葉の壁があることにより
  現地社員とのコミュニケーションがはかれず、労使間の摩擦が生じやすくなってしまう
  ことが原因の1つとして挙げられます。

 ◇賃金水準の問題
中国や東南アジアにおいては、労働関係法制度の改正・運用強化や、インターネットの
  普及によって様々な情報にアクセスしやすくなったことなどにより労働者の権利意識が
  向上し、低い賃金水準の是正を求めるようになっています。この傾向は、2013年にな
  り、東南アジア各国で最低賃金の引き上げを実施していることにも表れています。従来
  の低賃金による利益増加を企図した海外進出のビジネスモデルの限界を超え、持続的な事業活動を実現する
  には、現地の労働法令・慣行への理解を深め、現地の様々なステークホルダーに合理的かつバランスのよい
  利益分配を検討することも一考です。

企業としての対策

○労働法令、労働慣行の調査・理解
進出先の労働法令を遵守し、現地労働慣行に沿った労務管理とするためにも、各国の文化や習慣に関する知見を予め収集し、十分に理解することが必要です。
○労働者との定期的な会議の設置
現地労働慣行に沿った定期的な労使間協議を実施することが重要です。主張の異なる労働組合の乱立は避けるべきですが、労働者の単一組織化は労働者との建設的なコミュニケーションを維持できる限り、必ずしも企業にとって不利益なものにはなりません。
○ワーストシナリオを想定した緊急時対応計画の策定
労働争議やストライキを想定した緊急時対応・事業継続計画を予め策定することが重要です。
○邦人派遣駐在員の適性確認
派遣する駐在員は労務管理を含む経営管理を行うため、労働者と適切な労使関係を築ける適性のある人材が必要です。

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